2018年1月下旬、淘宝(タオバオ、アリババのC2Cサイト)にレンタルサービス「淘宝租賃」が登場した。これには、サムスン、ハイアールなど70ブランドの公式レンタル業務を含んでいる。また、衣二三(婦人衣料レンタル)、藍拓(コピー機レンタル)など200にのぼるレンタル業者も淘宝上で業務を開始する。
ニュースサイト今日頭条はこれを「シェアエコノミーが新たな段階に入る」と報じた。アリババの狙いはどこにあるのだろうか。
信用力審査との連携
中国のシェアエコノミーはどのように発展してきたのだろうか。今日頭条によると、ディディチューシン(滴滴出行)、ウーバー、エアビーアンドビーなどのアプリが、人と人とをプラットフォームによって結び付け、新しい余暇を生んだ、これが第1段階である。シェアサイクル、シェア充電器などが、人とモノを結び付けた。これが第2段階である。そして今回の淘宝租賃こそ新しいシェアエコノミーの第3段階となるそうである。
淘宝租賃は、基本的なモノや設備においては“万物”をレンタルできるようにする。これはシェアエコノミーを第3段階へと発展させる基本となる。さらにシステムも、従来のレンタル業界とは大きく一線を画すものとなるという。
それは、淘宝租賃と芝麻信用(アリババグループの信用調査会社)との提携だ。芝麻信用の格付けによって、保証金や頭金の有無や額が決まる。芝麻信用の消費者評価は、信用事故に対する強力な防波堤となる。第3段階は、個人信用システムの成熟によって可能となるのだ。つまりこれができるのはアリババのみ、ということになる。
淘宝租賃が描く顧客イメージ
淘宝租賃はどのようなレンタル生活をイメージしているのだろうか。それには以下の3点を挙げている
1 短期需要型消費……北京短期滞在の多い人や、頻繁に引っ越しを繰り返す人たちのために、適宜に家電や家具を貸し出す。またベビー用品や玩具のように使用期間の有限なモノ。
2 試用型消費……データや経験を重視する人は、試用を好む。またスマホを選ぶときも、比較検討をして決めたい。服装についてもそうだ。希望にぴったりフィットしたモノ以外には、金を払いたくない。そうした状況においてレンタルはよい解決法となる。
3 低頻度シーン型消費……礼服、結婚衣装、スーツ、ブランドバッグなど、1回または2回しか使わないモノ。
淘宝租賃は、主力をこの需要に設定している。