中国経済,報酬,IT業界
(画像=PR Image Factory / Shutterstock.com ※画像はイメージです。)

目次

  1. 熾烈な中国IT業界の人材確保競争
  2. 新興ネット企業で著しい人材不足
  3. 高給が見込める職種とは
  4. アリババに現れた天才

熾烈な中国IT業界の人材確保競争

好調な経済が続く中国では、各産業とも人材の確保に頭を悩ませている。中国経済の先頭を走るIT界も例外ではない。

特にシェアエコノミーの進展や人工知能(AI)の発達による社会の変化に敏感に対応しなければならないIT業界は、いかに優秀な人材を確保するかが、熾烈な競争を勝ち抜くカギとなる。 IT業界における人材確保の最前線はどのようになっているのか。アリババの若き天才の事例を取り上げながら紹介していこう。(1元=17.18日本円)。

新興ネット企業で著しい人材不足

2018年1月上旬、中国の就職サイト大手「BOSS」は「2017互聯網(インターネット)人材趨勢白皮書」を発表した。それによると、インターネット業界の新規募集の平均賃金(月収)は18万2000円(1万600元)、前年比3.1%増だった。上位10%の平均賃金と、最低レベルとの差は8.1倍で、前年の7.9倍から拡大した。

これだけならあまり大したことはなさそうに見える。しかし実際の求人は前年比58.3%も伸びている。中でも創業間もない会社の人材需要はかなりひっ迫していた。

中国ではよく、天使輪融資、A輪融資、B輪融資、C輪融資という表現をする。C輪という場合、これまで3~4回の融資シンジケートを組んだ会社を意味する。D輪以降になると上場が視野に入る。そしてこれはそのまま企業の発展段階を表すようになった。

たとえば天使輪の会社は、融資額300~600万元、企業価値1500~3000万元クラス、A輪の会社は、融資額1000~3000万元、企業価値5000万~1億5000万元クラス、といった具合だ。インターネット関連企業の求人は、天使輪、A輪、B輪までの新興勢力で全体の66%を占めている。

高給が見込める職種とは