太陽光発電は固定価格買取制度(以下、FIT制度)の支援もあって、これまで大幅に伸張したが、FIT制度はすでに、縮小ないし撤廃が日程に上っている。そうした中、米国で普及しているソーラーPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)方式が、新たな太陽光発電導入を牽引するのではないかと注目されている。FITに頼らない太陽光発電導入モデルである。その第一号が早くも日本に登場した。第一号モデルの仕組みやその意義、今後の見通しなどを探ってみた。

PPAは第三者所有モデルともいわれている

太陽光発電,固定価格買取制度
(画像=PIXTA)

ソーラーPPAモデルは、第三者所有モデルともいわれ、電力会社や消費者以外の第三者(新電力や発電事業会社など)が、住宅や工場などの建物の屋根を借りて設備を設置する方式である。最近増えている屋根貸し(屋根借り)方式は、発電事業会社と建物所有者との賃貸契約が基本であるのに対し、PPAモデルは、発電事業会社と電力会社との電力販売契約が基本となる。

発電設備は、発電事業会社や新電力の所有となり、これらの事業者は保守・管理などのメンテナンスも行う。住宅などの建物所有者は、太陽光発電電力を利用できるが、使った分の電気代を発電事業会社に支払うことになる。また、余剰電力は、電力会社に売電され、売電収入は発電事業会社が得ることになる。こうしたモデルでは、住宅、工場などの建物所有者は、初期投資なしで、太陽光発電設備を利用でき、メンテナンスなどの必要もない。

米国の住宅用で6割以上が普及