住宅ローンには三つの金利タイプがある。最も金利が低いのは変動金利型や固定期間選択型の固定期間の短いタイプで、0.6%台、0.7%台程度から利用可能。

しかし、これらの金利タイプは借入後に市中の金利が上がると適用金利も上がって、返済額が増えるリスクがある。超低金利時代の現在、いまよりさらに金利が低下することは考えにくく、借入後に金利が上昇して返済額が増えるリスクのほうが圧倒的に高いだろう。

それに対して、借入時の金利が完済まで変わらない全期間固定金利型は金利が1.1%台から1.3%台などと若干高くなるが、それでも借入後に金利が0.5%上がればどうだろうか。

全期間固定金利型はそのままであるのに対して、変動金利型や固定期間選択型の適用金利は上昇、金利の上下関係は逆転する。それだけに、超低金利のこの時期なら、多少金利が高くても、全期間固定金利型の利用が安心だというのが筆者の見解だ。

フラット35には三つの金利引下げがある

マイホーム,フラット35
(画像=PIXTA)

この全期間固定金利型の代表格は住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して実施しているフラット35。

2017年12月の金利は、返済期間15年〜20年が1.27%〜1.92%で、返済期間21年〜35年が1.34%〜1.99%。金融機関により金利は異なるが、最も多くの金融機関は一番低い金利、35年返済なら1.34%を採用しており、金融機関を選べば、誰でも最低金利を利用できる。

注目しておきたいのは、フラット35には一定条件を満たせば、当初の金利が低くなる金利引下げ制度がある点だ。17年12月現在、その制度には次の三つがある。

  1. 当初5年間または10年間金利が0.25%引き下げられる「フラット35S」
  2. 当初5年間金利が0.25%引き下げられる「フラット35子育て支援・地域活性化型」
  3. 当初5年間または10年間金利が0.60%引き下げられる「フラット35リノベ」

これらを上手に活用すれば、適用金利は0%台になり、変動金利型並みの金利で全期間固定金利型を利用できるようになる。安全・安心であるだけではなく、変動金利並みの超低金利になるので、住宅ローン利用に当たっては、ぜひ念頭に入れておきたい。以下、それぞれ詳細をみていこう。

「フラット35S」6つの条件のいずれかひとつを満たせばOK