お金を増やしたいとき、思い浮かぶ増やし方は何でしょうか。人によって、定期預金や株式投資、国債購入、不動産投資などが思い浮かぶでしょう。しかし、今のご時勢、定期預金や国債の利息はほとんどありません。一方、株式の場合、どの銘柄に投資すればいいのか投資の初心者が判断するのは難しいかもしれません。

もし、初めて何かに投資したいと考えているなら、投資信託が良いと言われています。今回はそんな投資信託のメリットとデメリットについてお伝えします。

投資信託とは

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(写真=wk1003mike/Shutterstock.com)

まず、投資信託について説明します。投資信託(ファンド)は金融商品です。投資家から集めたお金をひとつの大きなお金にまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資して、運用します。集めたお金をどう運用するかという投資判断は、投資信託ごとに決められ、その運用方針に基づいて運用されます。基本的には、運用成果は投資家が投資した投資信託の口数に応じて分配されます。これが投資信託の仕組みです。

投資信託は金融商品なので、リスク(値上がりと値下がりの振れ)があります。このリスクの大きさは、投資信託によって変わります。投資信託ごとに運用する商品が異なるからです。一般的に大きなリターン(投資成果)が期待できる株式で運用する投資信託はリスクが高く、リターンが安定している債券で運用する投資信託はリスクが低いといわれています。基本的にはリスクとリターンは相関関係にあると覚えておきましょう。また、為替の影響を受ける投資信託には別途為替変動リスクがありますので注意が必要です。

投資信託のメリット

投資信託について理解が深まったところで、投資信託の3つのメリットを紹介します。

1. 分散投資ができる
複数の投資家からお金を集めて、様々な資産に投資するため、効率的に分散投資ができます。例えば、30銘柄の日本株に投資するとしましょう。1人の個人投資家だけで投資する場合、多額の資金が必要ですし、各銘柄の分析や値動きの把握も非常に大変です。投資信託であれば、少額の資金で労力をかけずに、そのような投資を行うことができます。

2. 投資の専門家が運用
株式や債券などの専門知識を個人で身につけるのは大変です。投資信託はファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が投資判断を行います。投資に慣れている人でも、本業がある人はずっと金融マーケットを見ているわけにはいきません。投資信託であれば、投資する資産の買い時や売り時を専門家に委託できるというわけです。

3. 高い透明性
原則として毎日投資信託の価格(基準価額)が朝刊紙や運用会社のホームページで公表されていますし、定期的に運用報告書で運用状況も開示されています。金融商品は不透明で不安という人でも、投資信託なら安心して投資できるのではないでしょうか。

投資信託のデメリット

一方、デメリットとしては、以下のような投資する資産が元々持っているリスクが、投資信託ではある程度軽減されるものの、無くなるわけではないことが挙げられます。

1. 株式の価格変動リスク
株式の価格は、株式を発行する企業の業績、政治情勢、経済環境、市場の需給等によって変動し、上昇することもあれば下落することもあります。

2. 債券の信用リスク
債券を発行している企業の経営状況によっては、約束通りの利子や償還金が支払われない場合があります。発行体が倒産してしまうと、元本が戻ってこない場合もあります。

3. 金利変動リスク
金利も政治情勢や経済環境によって変動します。金利の変動は、資産価格に影響を与える可能性があります。一般に債券の価格は、金利が低下すると上昇し、金利が上昇すると下落します。

4. 為替変動リスク
為替も政治情勢や経済環境によって変動します。一般に外貨建資産の価格は、円高方向に進んだ場合下落し、円安方向に進んだ場合上昇しますので、為替変動にも注意が必要です。

分散投資の重要性

「卵は一つのかごに盛るな」という資産運用に関することわざがあります。すべての卵をひとつのかごに盛っていた場合、そのかごを落としたらすべての卵が割れてしまいますが、いくつかのかごに分けて卵を盛っていれば、ひとつのかごを落としてもすべての卵を割ってしまうことはないという意味です。  また、「ドルコスト平均法」という投資方法があります。投資をする際、一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ投資する方法です。投資対象の価格が下がったとき多く購入し、上がったとき少なく購入するため、長期に投資をする際のリスクを抑えることができます。

つまり、資産運用で大切なのは「投資先や投資時期などを分散させること」です。資産の分散、長期間の保有、投資する時期の分散でリスクを抑えることができます。投資信託ごとにリスクの種類や大きさは異なります。投資信託を買うときは、目論見書を見てリスクを説明している項目を読み、それぞれの投資信託が持つリスクを知ることが大切です。

また、目論見書には通常、過去5年間の騰落率の平均、最大、最小が表示されています(設定間もないもの等、表示されていないものもあります)ので、参考にするとよいでしょう。 (提供:マネーLife Style


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