資産を運用するのに、国内株式、国内債券、海外株式、海外債券などに配分を決めて投資する方法があります。分散投資することで、為替変動リスクや、特定の市場が低迷したりした場合のリスクなどに備えることができ、大きなダメージを避けつつ、比較的安定した収益を上げやすくなります。

リバランスとリアロケーション

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(写真=bleakstar/Shutterstock.com)

自分で許容できるリスクとそれに見合ったリターンが得られるように、資産の配分を決めて投資します。このような資産配分を「アセットアロケーション」と言います。まずは大まかな分類となるアセットアロケーションを決めて、それに沿って具体的に個々の銘柄を組み合わせて資産を構築します。この具体的な銘柄の構成をポートフォリオと呼んでいます。

株価や為替など、資産価格は刻々と変動します。価格が変動していくと、最初に決めたアセットアロケーションが次第に変化してきます。せっかく投資戦略を考えてアセットアロケーションを構築したのに、実際のアセットアロケーションが当初の計画から大きくずれてくることも珍しくありません。また、経済の環境が変化して、投資戦略自体を練り直さなければいけない場合もあります。

そんな時にはアセットアロケーションの見直しが必要になります。それがリバランスとリアロケーションです。

リバランスとは当初の配分に戻すこと

例えば、国内株式に50%、海外株式に25%、海外債券に25%の比率で投資していたとします。100万円の資金なら、国内株式50万円、海外株式25万円、海外債券25万円となります。ここで国内株式が20%上昇して、海外株式と海外債券がそれぞれ20%下落したとします。すると、国内株式は50万円が60万円に、海外株式は25万円が20万円、海外債券も25万円が20万円になります。

合計額は100万円で変わりませんが、比率は国内株式60%、海外株式20%、海外債券20%となってしまいました。せっかく決めたアセットアロケーションが崩れています。ここで、国内株式を10万円分売却して、海外株式と海外債券をそれぞれ5万円ずつ購入することで、当初の配分比率に戻すのがリバランスです。

リアロケーションとは配分比率をそのもの見直すこと

リアロケーションとは、リバランスとは異なり、配分比率そのものを見直すことです。アセットアロケーションを積極的に変更するのです。

上記の例では、国内株式に50%、海外株式に25%、海外債券に25%のアセットアロケーションが、国内株式60%、海外株式20%、海外債券20%に変化していました。ここで今後、海外資産が反転上昇すると考えたとします。その場合、例えば国内株式を20万円売却するのと同時に、海外株式と海外債券をそれぞれ10万円ずつ購入して、国内株式を40%、海外株式を30%、海外債券を30%の配分に変更する投資戦略が考えられます。これがリアロケーションです。

リアロケーションのタイミングとしては、景気や金融マーケットといった外部要因が大きく変化したときが考えられます。また、自分のライフプランなどの内部要因が変化したときも、そのタイミングといえます。例えば、結婚したり、子どもが生まれたり、家を建てたりしたときなどです。

年に1度は見直しを

リバランスもリアロケーションも頻繁に実施するのは考え物です。売買手数料が必要になりますし、利益を確定すれば税金が課せられます。また、日々の細かな値動きでリバランスを実施していては、トレンドを捉えた大きな利益を逃すことにもなりかねません。

特に、リアロケーションは投資戦略の変更ですので、頻繁に実施するのではなく、よく考えて投資環境と自分の状況に最適なアセットアロケーションを構築することが大切です。健康診断と同じように、年に1度、時期を決めて、自分のアセットアロケーションを見直すくらいがいいでしょう。

1年を振り返って、まずは自分の資産がどう変化したのかを確認します。そして、世界経済の状況や自分の環境変化を考えて、必要であれば投資戦略を変更してリアロケーションを行います。投資戦略を変更する必要がない場合にはリバランスを実施するという流れです。年末年始に過去1年間の運用を振り返って、次の1年の戦略を考えてみるのも良いかもしれません。(提供:マネーLife Style


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