昭和の高度経済成長期には、「不動産を買えば将来高値で売れる」というのが当たり前のような時代でした。しかし、バブル崩壊から後の20年間、不動産価格は低迷しました。このような状況から今後を予測した場合、再び多くの不動産価格が上昇するようなことは考えにくいと言えるでしょう。これからマイホームを購入しようとする場合、うかつな判断では資産ではなく負債にもなりかねません。

今回は、マイホームの購入を「投資」の視点から考えていきましょう。

今後不動産は上昇しにくい状況

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(写真=Ollyy/Shutterstock.com)

日本は人口減少と高齢化という、厳しい状況に直面しています。人口減少が顕在化している中で、資産価値のない物件が多く見られるようになってきています。

今では考えられない話ですが、かつては、日本は国土が限られているため、土地の価格は上がることはあっても下がることはないとさえ、一部で考えられていました。

しかし、現在では地方のみならず、首都圏の東京都下のような都心部に近い立地の不動産でさえも、需要が減退する地域が出始めているのです。よほど注意をして物件を選択しなければ大きなリスクになることを理解しておかなくてはなりません。

投資視点で購入しないと先行き負債となるリスクも

一戸建てのマイホームを購入する場合、予算との関係から条件を落として購入せざるを得ないケースが多いでしょう。都心部から遠距離になる、最寄り駅から遠いなど、マイホームが手に入るならばと、我慢できるかもしれません。しかし、これからは不動産需要が全国的には減退してくことが予想されますので、条件の悪い物件は先行き資産価値が大幅に低下するリスクを抱えているという点は、意識しておくべきでしょう。

つまり、「投資物件として将来安定的な価値を維持できるか」という視点でマイホームの購入を検討すべきだと言えるでしょう。購入を検討する際に投資視点で考えれば、後々負債になってしまう危険を回避できる可能性が高まります。

賃貸で利益が出るかどうかから購入を判断してみる

先述のように、不動産を購入する際のひとつの指標は、自分では住まずに賃貸に出したとしても利益が出るのかという視点です。市場の需要とのバランスによって思うように貸せない、あるいは賃貸価格が非常に安くなってしまったという物件であれば、購入すべき物件ではなかったという判断になってしまうでしょう。

今後、人口減少はますます顕著なものになってきます。そのため、条件の悪い物件の資産価値は著しく低下するということを念頭において物件を精査することをおすすめします。

売却時の資産価値から購入を判断する

現在の様に、融資金利が非常に低い状況は、不動産購入にとって絶好のチャンスと言えます。しかし、購入した物件が数年後、どのような価格で売却できるかを想定しておくことも大切です。どんなに立地などの条件が良い物件で、その地域では最も優遇されたものであっても、中古の場合は立地地域の平均売買価格に大きく影響を受けることになります。

過去5年から10年の物件周辺の中古住宅等の価格推移を見てみると、この先どのような価格で売却できるかが見えてきますので、購入時のひとつの判断材料にしてみましょう。成熟した先進国は、世界的にインフレになりにくくなっており、不動産価格は特別に限られた商業地域など以外では、簡単に上昇しなくなっています。

資産にも負債にもなり得るマイホームの価値を、賃貸や売却の価格と照らし合わせて考えてみることが重要です。整理して可視化することで、マイホームを負債にしてしまうリスクを軽減できるでしょう。(提供:THE LIFES

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