昨年9月にお金の疑問や不安を解消する情報を届けることを目的に誕生したWebメディア「マネチエ」。その開設1周年を記念したイベントがこのほど都内で開かれた。スタート当時、ZUU onlineからも記事を配信したこともあり、今回の1周年記念イベントを共催した。

全2部構成で、1部は『はじめての人のための3000円投資生活』など多数の著作を持つ家計再生コンサルタント横山光昭さんによる家計診断。2部は「きんゆう女子。」主宰の鈴木万梨子さんが、女性参加者とお金に関するあらゆる悩みを話し合うという、“女子会”のような形で行われた。会場にはおよそ80人が訪れ、家計診断・投資アドバイスやお金に関する悩み座談会に聞き入った。

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横山さん「若い人は保険加入より公的扶助制度を知ることから始めて」

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(写真=森口新太郎)

マネチエはソニーネットワークコミュニケーションズが開設したメディア。「貯める」「増やす」「備える」「学ぶ」の各カテゴリーで、iDeCoや保険、扶養、カード、ローンなどお金に関する情報を公開している。

イベントは「Fantastic Plastic Manechie Vol.0」と題して行われた。その名前の由来はというと、音楽好きなマネチエ編集長が「Manechie」が「Machine(機械)」のアナグラムのように見えることから、アーティストFantastic Plastic Machineをもじってつけたという。

1部に登壇したのは横山光昭さん。横山さんは自身の事務所だけでなく、雑誌の企画や全国での講演などで、実際に多くの人の家計を見直し、少額から投資を始められる方法を伝え続けている。

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(写真=森口新太郎)

この日は男性参加者2人の毎月の家計簿を実際に見ながら、具体的なアドバイスをしていった。登壇者はいずれも男性で、1人は20代独身、もう1人は40代で同居のパートナーありだった。

最初の20代の登壇者に対して横山さんは「被服費や交際費が多いので見直しを」と指摘した。「保険加入を考えているが、必要はあるか」という質問に対しては、「まだ若いので(保険を含めた備えは)最低限で問題ないでしょう。日本は公的保障が充実しているので、まずそれを知ることから始めてみては」などとアドバイスした。

もう一人の相談者は、ペットがいることもあって住居費の割合が高いのが悩みとのこと。好きなものにはある程度お金がかかることを認めながらも、横山さんは「住居費以外の、交際費などの部分でもペット関係があるようなので、そこで抑えられるものは抑えてみては」と助言した。

相談者は所属する会社のストックオプションを持っているというが、横山さんは「ストックオプションもよいが、それはあくまで投資の一形態。そこに偏重せず(他の金融商品も含めて)バランスよく投資を」などと話した。

「今日さっそくアプリをインストールしてみる」という声も

2部には「金融ワカラナイ女子のためのコミュニティ」を掲げる「きんゆう女子。」の鈴木万梨子さんが登壇した。質問に登壇した2人も女性で、さながら壇上は女子会のよう。鈴木さんが元大手旅行会社勤務ということから、「お得に旅行するにはどうしたらいいですか?」といった質問の飛び出した。

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(写真=森口新太郎)

鈴木さんは、自身もあくまで投資を勉強しているのであって、教える立場ではないとしながらも、「きんゆう女子。」を1年主宰した経験や、メンバーを対象にとったアンケートから、先輩ならではの情報や考え方を惜しみなく披露していった。

たとえば登壇した女性が「家計簿をつけているつもりなのだが、年末になると帳尻があわず使途不明金が出てしまう」と悩みを話し、「お金の管理はどうしている?」とたずねたところ、鈴木さんはいくつかの家計簿アプリやお釣り投資サービスなどを、具体的にその場で画面を見せながら紹介していた。

また貯金や家計管理だけでなく投資に役に立つアプリやサービスも紹介。ロボアドについてはサービスによる違いにも触れ、登壇者や来場者らは「帰ったら早速インストールしたいと思います」などと話していた。

このほか、「投資や金融に関する情報収集はどうしているか」という質問に対しては、人から聞いたり、アプリなどを使ったりしていると回答。きんゆう女子。では証券会社や銀行、企業など取材に行ったり、毎週木曜夜に茅場町で定例会を開いたりしているので、興味がある女性は一度気軽に参加してみてと呼びかけていた。

質問コーナー「NISAとつみたてNISAどっちがいい?」ほか

質問コーナーもあり、「NISAとつみたてNISAのどちらが良いか?」という質問に対して横山さんは、「初心者はつみたてNISAがいいでしょう」と回答。具体的には「株式はある程度の金額を投資する必要があるが、投資信託やETFは小口から始められるものもあり、分散して投資されるため、1社の状況が悪くなっても他で補えるので、損失を抑えられる可能性がある」と話した。

また「投資するならどういうものがいいのか」という問いには、インデックス運用を推奨。日経平均225などの指数に連動していて初心者でも分かりやすいことを理由に挙げた。

2部でも出た「家計簿をつけようとしても、持続しない」という悩みについては、「ざっくりつけること。一円単位でつけようとしても続かない。まずは何にいくら使っているのか、支出を把握することが大事」と話した。

その理由として、「何にどれだけ使っているかが分かれば改善策が分かる」としたうえで、「少しでも余剰資金が出たら少額からでもいいから投資をスタートしましょう。最初は少額でも、徐々にお金の見直しができるようになり、いつかは投資(資産形成)に回せるお金が増えるかもしれません」と話していた。

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(写真=森口新太郎)

イベントの最後には、マネチエから登壇者、参加者の一部に横山さんの著書『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがプレゼントされた。(ZUU online編集部)