不動産投資となると、ローンの活用方法が気になる人も多いのではないでしょうか。中には、「借金」というマイナスイメージだけで不安に思っている人もいるかもしれません。しかし、有効活用さえできれば、不動産投資ローンほど頼りになる「助っ人」はいません。少ない自己投資額で高収益率を狙うためにも、不動産投資ローンの活用方法を学びましょう。

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(写真=mukphoto/Shutterstock.com)

不動産投資においてローンは最強の「助っ人」

不動産投資において、ローンは必要不可欠な存在といえます。投資用の物件を購入する場合、購入価格が数千万円から大きいと1億円を超えることもあるでしょう。これだけ多額の資金が必要となると、自己資金だけでまかなえる人はあまりいないのではないでしょうか。大多数の不動産投資家は、金融機関から融資を受けて物件を購入します。

「金融機関から融資を受ける」というと、つい「借金」と考えて不安に感じるかもしれません。自宅用の不動産を購入する場合は住宅ローンを活用しますが、収入の変動に伴い支払いに苦心する人が少なくないことも事実です。しかし、ただ不動産を購入するだけの住宅ローンとは異なり、不動産投資ローンの場合は購入した物件から家賃収入を得ることが期待できます。

ローンの返済は、自己資金ではなく家賃収入から充当するのが一般的です。不動産投資ローンは、単なる「借金」ではなく「他人資本」という見方もできるのです。また、不動産投資ローンの金利はそれほど高くありません。たとえば、オリックス銀行の金利(変動金利)は年2.675%(2017年時点)に抑えられています。入居率を高める不動産経営ができれば、ローンを返済して管理費や税金などを支払っても、手元に十分な利益を残すことが可能です。

不動産投資におけるローンの借り方

不動産投資ローンの借り方としては、手元資金の確保と金融機関の吟味が重要です。手元資金を確保することで、不動産経営の資金を潤沢にしておくことができます。住宅ローンの場合は、金利負担によるトータルの支払い額を軽減するため、頭金を多く支払い、可能なら繰り上げ返済を進め、早い段階でのローン完済を目指すことがよしとされます。

不動産投資においては、会社員としての信用を生かして融資を受け、自己投資額を少なくするという手があります。ローン返済は家賃収入から行いますので、融資額を大きくすることによるレバレッジ効果を狙うのがよいでしょう。

また、金融機関を吟味する必要があります。特に、融資姿勢を随時チェックして借りやすいタイミングを逃さないことです。2017年現在は、アベノミクスで金融緩和が継続されており、金融機関にはお金がだぶついた状態が続いています。そのため、「借りやすい」タイミングとも考えられますが、いつ状況が変化するかは分かりません。慎重さは重要ですが、チャンスを逃さない行動力も時には求められるのです。

なお、金融機関からの融資までの手続きには少々手間がかかります。一般的には、ウェブサイトから申し込みを行った後、担当者からの電話連絡を待ちます。その後、簡易的な事前審査が行われて、パスした場合のみ本申込に進むのです。本申込後には本審査が行われます。本審査を通過すれば契約手続きに入り、融資を受けられるようになるというのが一連の流れです。

または、物件を販売している不動産会社が一連の流れを手厚くフォローしてくれるケースも多くあります。

不動産投資ローンの返し方

不動産投資ローンの返し方は、入居率や利回り状況に応じて臨機応変に判断することが必要です。一般的には、住宅ローンと同様に繰り上げ返済するのが効果的であるといわれています。融資額が大きいために、利息額だけでも月数万円から十万円を超えることも多い傾向です。手元資金に余裕のあるときに繰り上げ返済をすると、返済回数が減るために利息の総額も抑えられます。

1回当たりの返済額が大きくなるために、完済までは苦労します。しかし、返済が終わってしまえば家賃収入から支出を除いた全額が利益として手元に入るのです。このように、繰り上げ返済は返済の鉄則として多くの専門家からも推奨されています。しかし、金利が低い状況では、場合によっては繰上げ返済せず、自己資金を活用して、レバレッジを生かして、新たな物件を購入してキャッシュフローを増やすことも考えてみましょう。

迷ったときは繰り上げ返済と返済総額の関係をシミュレーションしてみてください。返済総額がそれほど減らず、別に高利回りの狙える物件を見つけたようであれば、そちらの購入にお金を回した方がよいケースもあります。また、借り換えを駆使するのも有効です。融資を受けている金融機関とは別に、より金利の低い金融機関から借りるのが「借り換え」になります。

たとえば、金融機関A社から年率3%で5,000万円を借りていたとします。金融機関B社が年率1.5%で不動産投資ローンを行っている場合、A社からB社へ借り換え手続きをすることで利息額がグッと減る可能性があります。借り換えに伴い手元資金に余裕ができますので、生活費や別の投資にお金を回すことも検討できるでしょう。

ただし、借り換えの際は、不動産登記の抹消や登記が関わってきますので、「金利以外に諸経費がどの程度かかるのか」といった一面にも注意する必要があります。不動産投資ローンは、単なる借金とは異なり、活用方法次第ですばらしい「助っ人」になる可能性を秘めています。賢く借りて賢く運用することで不動産投資への幅が広がるでしょう。低金利時代が続くときこそ資金調達コストとなる貸出金利は低くなります。不動産投資は知識も必要ですが、タイミングを逃さない行動力も大切です。気になっている人は第一歩を踏み出し、不動産会社などへ積極的に相談してみることをおすすめします。(提供:Incomepress


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