毎月100万円の安定収入を獲得するために、行うべきことは見えています。STEP1の「ゴールと手段を具体化する」から、STEP7「最後は自分で決める」までの7ステップです。

(本記事は、内藤 忍氏の著書『毎月100万円を生み出す人生戦略の立て方』クロスメディア・パブリッシング/インプレス=2017年7月18日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

毎月100万円を生み出す人生戦略の立て方
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

「毎月100万円」の実現に近づくために必要なのは「正しいステップ」

計画も立てずに我流で資産運用を行っていっても、思いどおりの結果にはつながりません。

私は、セミナーやメールマガジン、個人のブログなどを通じて、個人投資家のみなさんに情報提供を続けていますが、資産運用の具体的な方法を学ぶ前に知っておくべきことがあります。

「何に投資するのか?」「これから有望な投資先はどこか?」といった話に夢中になる前に、やるべきことをやっておかないと、無駄な時間とコストを費やしてしまうことになります。

『戦略を立てる7つのステップ』
STEP1 ゴールと手段を具体化する
STEP2 「攻めるお金」と「守るお金」を分ける
STEP3 人生の3大支出を見直す
STEP4 保有資産のポートフォリオをつくる
STEP5 7つの戦略を分散させる
STEP6 3つのフェーズで考える
STEP7 最後は自分で決める

本章では、戦略を立てるための7つのステップをご紹介していきます。

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STEP1ゴールと手段を具体化する人生戦略を立てる7つのステップ

人生戦略を立てる最初のステップは、人生のゴールを明確にすることです。

夫婦であれば一家のゴールです。

普通の人はお金を得た後に「このお金でどうしよう」と考えるでしょうが、大きなことを成し遂げたいならゴールから逆算すべきです。

お金は人生戦略を実現していくための「手段」にすぎず、人生のゴールが変わればその手段も当然変わります。

そもそも「何がしたいのか」まで見えていないと、人はなかなか真剣になれないものです。

資産を運用する中でリスクや忍耐が要求される時があったり、自ずといばらの道を歩まざるをえない時もあります。

その時、明確な目標が描けていないと、夫婦で同じベクトルを向くことは難しいでしょう。

ですから、難しい質問であることは百も承知で、「自分の人生のゴールは何か?」「そのためにお金はいくら必要か?」「それをいつまでに達成したいのか?」と本質的な問いについて考える機会を持つべきです。

その結果、「老後に地方でのんびり過ごしたいから、20年以内に毎月30万円のキャッシュフローをつくる」という人もいるでしょうし、「今の生活を維持しながら早期退職したいから、10年後に毎月100万円が入る仕組みが必要」という人もいるでしょう。

すると、これからの戦略が見えます。

とくに期限を決めることは重要です。

長ければ長いほど低リスクの運用で到達できますし、短ければそれなりのリスクを負って高利回りを目指さないといけません。

それによってとるべき戦略も変わります。

STEP2「攻めるお金」と「守るお金」を分ける

「いくらまでなら資産運用に回していいのでしょうか?」資産運用セミナーで私が最もよく受ける質問です。

それを見ると、日本人は金融資産の52.7%が現預金であることがわかります。読者のみなさんも違和感を抱かない数字かもしれません。

守るべきお金の金額を把握する

私の提案する「守るべきお金」の目安ですが、「10年以内に使うことがわかっているお金」とは、子どもの教育費のように、万が一、資産運用で失ってしまうと困るお金のことです。そして、それ以外の現預金については、3カ月分の生活費を残して、あとは「攻めるお金」としてどんどん資産運用に回す。

もちろん、これは毎月のキャッシュフローがある現役世代を前提にした話です。

守るお金を具体的な金額で把握できるだけで、資産運用に対する心理的なハードルが下がります。

STEP3人生の3大支出「マイホーム」「保険」「教育費」を見直す

お金を増やす方法は、「収入を増やす」「支出を減らす」「運用して増やす」の3つしかありません。

「収入を増やす」と「運用して増やす」はSTEP5で取り上げますが、ここでは「支出を減らす」方法を考えてみます。

節約の意識を持つことは、間違いなく大事なことです。

でも、私の考えでは、1円単位でお金を切り詰めるような極度な節約生活をしてしまうと、人によっては、お金を使うことに後ろめたささえ感じるようになってしまいます。

それでは、自己投資のチャンスを逃したり、リスクの高い投資に対して過剰に怯えてしまったりして、結果的には、マイナスです。

それより効果的なのは大きな支出の見直しです。具体的に言えば、人生の3大支出と言われるマイホームと保険、そして教育費です。

マイホームと賃貸はどちらがオトクか

「金利が上がれば、ローン返済がきつくなるから賃貸が有利」「でも、不動産価格が上昇すれば資産価値も上がるから、マイホームのほうがオトクだ」「引っ越しを頻繁にするなら、賃貸が有利だろう」「マイホームと賃貸のどちらがオトクか」という論争は、永遠に決着がつくことはありません。

なぜなら、いくらシミュレーションしたところで、前提とする経済情勢で結論が変わってしまうからです。

ひとつ言えることは、「マイホームを買えば安泰だ」と一方的に信じ込むのは誤解だということです。

マイホームを買った瞬間に「お金を生み出さない資産」が自分の資産のほとんどを占めることになります。

住宅ローンを組んだのであれば、今後、不動産投資で自分の資産にレバレッジをかけたいと思っても、そのローンが足枷になるかもしれません。

資産形成の選択肢を狭める可能性もあるのです。

投資のセンスでマイホームを選ぶ

ここで強調したいのは、マイホームと賃貸のどちらがオトクかという損得の話ではなく、マイホームの選択にも投資のセンスを持ったほうがよいということです。

実際、賃貸物件と比較して、価格が割高なものがマイホーム物件にはたくさんあります。

価格よりも建物の外観や内装といった「見た目」に興味がいきがちですが、投資の観点からは「買ってはいけない物件」がたくさんあるのです。

マイホームを購入したいという人にアドバイスしたいのは、自分が住まなくなった時に、資産としてどんな価値があるかを考えておくことです。

もし、投資用不動産の利回りが、マイホームの想定賃貸利回りより高ければ、マイホームを購入するより、利回りの高い投資用不動産を購入して、受け取る家賃で賃貸住宅を借りたほうが合理的です。

ただし取引コストや管理費用、それにローンの金利などを加味していない単純な計算ですから、実際にはもう少し精緻な計算をする必要があります。

また、将来の資産価値の下落でどちらの差がより大きいかによっても判断は変わってきます。

自宅の資産価値を知る

すでにマイホームを購入してしまった人も、自分の家を賃貸に出したら家賃がいくら取れるか、調べてみることをおすすめします。

利回り5%と仮定するなら、年間の想定家賃の20倍が今のマイホームの資産価値ということになります。

家賃が月額10万円くらい取れそうなら、年間家賃は120万円ですから、資産価値は2400万円ということになります。

簡単な計算ではあるものの、こうやってマイホームに投資の視点を持つことは極めて重要です。

必要以上に保険をかけていないか?

マイホームに次いで、人生で2番目に高い買い物と言われるのが生命保険です。

その目的は、自分が死んだ時に残された家族が困らないだけのお金を残すことですので、生命保険はうまくつき合えば庶民の味方になってくれます。

しかし、漠然と不安に駆られて生命保険に入っているのであれば、もう少しそのお金の向き先を考える必要があります。

教育費はグローバルな投資発想を持つ

子どもの教育費も大きな支出です。

幼稚園や小学校から「お受験」をさせることも珍しいことではなくなりました。

文部科学省の調べでは、幼稚園から高校までかかる教育費の平均は、ずっと私立なら約1770万円だそうです。

さらに塾や家庭教師の費用が加算されるわけですから、決して安い買い物とはいえません。

出身大学と平均年収

教育にお金をかけて、最終的には一流の大学に入って欲しいと願うのは自然なことだと思います。しかし、これだけのお金をかけて目指す最終ゴールが国内の大学だけだとしたら、少し違和感が残ります。

平気年収ですが、国内大学の頂点に立つのは、東京大学で729万円。日本の大学では最高レベルです。

しかし、世界に目を向けるとどうでしょうか?平均年収の高い大学のトップ10はすべてアメリカの大学が名を連ねています。

1位はコーネル大学でその平均年収は1919万円。

2位はハーバード大学で1730万円、3位はマサチューセッツ工科大学で1570万円となっています。

こうした大学を卒業をした人たちは、東京大学卒業者の2倍以上の平均年収をもらっていることがわかります。

海外の大学

ハーバード大学と東京大学を比べても、平均年収で1000万円の差があるわけですから、生涯賃金では数億円の差がつきます。

確かに、誰でもアメリカの大学に簡単に行けるわけではありません。

学費も日本より高い学校が多いですし、留学するとなるとそのための追加の費用もかかります。

ただ、最初から日本国内だけで考えるのではなく、グローバルな視点からベストな教育を考えるほうが、ボーダーレスな経済が当たり前になっていく時代にふさわしいアプローチ方法です。

実際、日本一の東大進学校として知られる開成高校では、海外の大学を目指す生徒が増加。

これからは東大を滑り止めにして、アメリカの有名大学を目指すというのが当たり前になっていくかもしれません。

キャリアアップに向けた留学

若いうちに思い切って英語を勉強してビジネスス人生戦略を立てる7つのステップこの考え方は、すでに日本の大学を卒業した若い方にもあてはまります。

クールに入り、卒業後、外資系企業に転職して年収アップを目指すというシナリオは十分ありえます。

とくに欧米企業では、大学院卒の資格がマネージャークラスになる最低条件となっているケースがよくあります。

いくら東京大学を出ていようとグローバルには大した評価にならないのです。

これは人生戦略全般に言える話ですが、長期的な視野を持ち、コストとリターンの意識を強く持ち、なおかつグローバルに物事を考える姿勢を忘れないようにしましょう。

STEP4保有資産のポートフォリオをつくる

人生戦略を立てるうえで欠かせないことが、現状の資産を把握することです。

自分が今、どのくらいの資産を持っているかを知らなければ、スタート地点にも立てませんし、それをどのようにして運用するかも考えることができません。

若い人の資産構成は貯金くらいだと思うので比較的シンプルでしょうが、年齢が上がるにつれ、資産が分散していくのが普通。

一度そういった資産を、次のように考えながら棚卸ししてみるといいと思います。

現状の資産を把握する

・貯金額はいくらか
・生命保険にいくら積み立てているのか
・マイホームや車を今売ったらいくらになるのか
・昔買った株がいくらになっているのか
・確定拠出年金の運用実績はどうなっているか
・ブランド品や宝飾品は売り払ったらいくらになるのか、など

ざっくりでもかまわないので、こういったことをおおよその額も含めて書き出してみると、次に述べる「ポートフォリオ(資産構成)」をつくることができます。

ポートフォリオをつくる

資産の棚卸しができたら、インターネットにいくらでもある円グラフ作成ツールなどを使って、可視化してみましょう。

そうやって完成したものが、あなたの現在のポートフォリオです。

資産形成の初期段階で考えるべきポイントは、次の2点です。

・不要な資産で現金化できるものはないか探す
・貯金をもっと資産運用に回せないか考えてみる

資産が少ないと「投資はまだいいかな……」と思ってしまいがちですが、むしろ資産が少ない時ほど、それをいかに最大活用できるのかが重要。

そして、資産形成を本格的に始めた後も、自分の資産をポートフォリオで把握し続けることが重要です。

そもそも、金融の世界におけるポートフォリオとは、投資家が自分の資産を現金・預金・株・債券・不動産などに分散していく際に、その比率や組み合わせを把握するためのもの。

その配分を適宜調整していきながらリスクを分散することが、ポートフォリオをつくる狙いです。

経済リスク、または、会社の倒産リスク、病気・怪我による就業不能リスクのような個人レベルのリスクにいたるまで、この先、どんな事態が待ち受けているのかは、誰にもわかりません。

投資の世界の鉄則である「卵を1つのカゴに盛るな」という言葉のとおり、資産をどう分散させるのか、どう組み合わせるのかが、長期的な資産形成において必要になる視点なのです。

STEP5 7つの戦略に分散させる

平均的な会社員にしてみれば、収入源といっても「給与所人生戦略を立てる7つのステップ得」と「金融投資」、たまに「不動産投資」を考える人がいるくらいでしょう。

かくいう私も会社員時代の収入源の大半は給与所得で、あとは金融商品で資産運用を多少しているくらいでした。

しかし、資産形成の組み合わせがどのような形であれ、毎月100万円というゴールを目指すためには、お金を得る選択肢をたくさん知っておくことが大事です。

実際にやるかどうかは別として、知識として身につけておくだけでも戦略が変わってくるかもしれないからです。

インカムゲインを軸にしたポートフォリオに切り替え始めたことを機に、私は自分の収入源を見直しました。今の私には「7つの戦略」があります。

戦略(1) 組織に所属して稼ぐ労働所得型

会社の顧問を務めるのもこのケースです。

収入の安定性という意味ではこの方法が一番であることは間違いありませんが、その反面、自分が働き続けないといけないことがデメリットです。

人間にとっての資産はお金だけではなく、時間も貴重な資産です。その時間をおそらく最も多く投入する領域になるので、仕事の効率化を図ることが重要です。

また、ほかに収入源がない時は、まずは、給与所得をどれだけ上げられるかで、その後の資産形成の優位性が決まると言っても過言ではありません。

給与所得の上げ方については第4章で詳しく取り上げます。

戦略(2) 金融資産に投資して稼ぐインカムゲイン型+キャピタルゲイン型

2つ目は、株や債券、投資信託、ETF、REIT(Real Estate Investment Trust)といった金融資産で資産運用する方法です。

これは、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙える資産クラスです。

給与と金融投資だけで毎月100万円のインカムゲインを構築することは難しいかもしれませんが、金融投資の基本を覚えておけば、初期フェーズで原資をつくる時やすぐに使わないお金を効率的に運用する際、必要になります。

かつては、高金利の定期預金に預けるだけで資産運用ができたものですが、低金利でこの方法はもはや通用しません。

戦略(3) 国内不動産に投資して稼ぐ インカムゲイン型

3つ目は、昔から安定的にインカムゲインを得る手段として、またインフレに強い資産として有効でした。

人口の減少によって、国内の賃貸需要は減少傾向にあるため、キャピタルゲインはあまり見込めませんが、金融資産の債券が「役立たず」になってしまった今、注目すべき投資対象です。

ほかの資産と異なる特徴は、国内の金融機関から融資が受けやすいことです。国内不動産は、金融資産よりインカムゲインが一般的に大きいので、シニア層に向いた投資と言えます。

戦略(4) 自分で組織をつくって稼ぐ 労働所得型+インカムゲイン型+キャピタルゲイン型

4つ目は、独立なり起業をして自分で組織をつくり、収益を得るケースです。

昨今の働き方改革で、今後は副業で自分の会社を経営する人も増えてくると考えられます。

組織に所属するよりはリスクが高くなりますが、時間の自由があって、自分のやりたいことができる自己実現の喜びもあります。

さらに、そのビジネスが拡大して大企業に買収されたり、上場を果たしたりすることがあれば、莫大なリターンを得られるチャンスがあります。

戦略(5) 海外不動産に投資して稼ぐ インカムゲイン型+キャピタルゲイン型

5つ目の海外不動産は、国内不動産と似て非なるもの。

海外不動産は融資を受けるハードルが高いので、自己資金での投資が前提になることが多く、為替リスクもあります。

新興国の場合なら、カントリーリスクも考えなければなりません。

ただし、その見返りとして比較的高い家賃と、将来の価格上昇期待、円安による為替差益といったメリットが狙えます。

最近は、海外不動産を扱う業者も増えて投資のハードルがかなり下がってきています。

戦略(6) ビジネスに出資して稼ぐキャピタルゲイン型

6つ目は、お金に余裕が出てきてからの話になりますが、ビジネスに株主として出資する方法です。

実は、私も知り合いが経営している数社の会社に投資しています。投資としてはほぼ宝くじを買う感覚に近いので「最悪なくなってもいい」と思えるくらいの範囲に留めるのが基本。

援するのではなく、株主という名の同志として応援できるのは、人生戦略を立てる7つのステップ知り合いが目標に向かって頑張っている姿をただ外野から応上場株を買うこととはまったく別の面白さがあります。

戦略(7) 新しい投資対象に投資して稼ぐキャピタルゲイン型

アンティークコイン、現代アート、ワインといったニッチな投資対象も時に大きな利益を生みます。

もちろんリスクも高いですし、安定して収益が生まれるわけではないので、こちらも資産に余裕ができた時にスパイス的に使うといいでしょう。

戦略の組み合わせは、あなた次第

戦略は1つである必要はありません。

自分の収入手段を多様化し、最も効率よく目標に到達できるであろう方法を組み合わせて戦略を立てていけばよいのです。

それぞれの方法から得られるキャッシュフローを合計したものが、自分が手に入れることができるお金ということになります。

多様な収益源があればあるほど、リスクが分散され、安定したフローにつなげることが可能になります。

STEP6 3つのフェーズで考える

いきなり「毎月100万円」と言われてもあまりにゴールが遠すぎて、何から始めていいのか戸惑うかもしれません。

大きな目標がある時は、いくつかのステップに分解してサブゴールを立てる。 それは、ビジネスでも人生でも有効です。

毎月100万円のインカムゲインを達成するための方法を考える場合、3つのフェーズに分けるのが有効です。

3つのフェーズで、サブゴールと手段を変える

たとえば、35歳の時に「65歳で毎月100万円のインカムゲイン」をゴールにする場合を想定します。

今、30歳であれば、30代を第1フェーズ、40代が第2フェーズ、50代を第3フェーズとしましょう。

第1フェーズでは、資産運用の原資(タネ銭)をつくることに専念する。

本業での収入アップや支出の見直し、さらに貯金を比較的リスクの低い金融商品で複利運用していく。

第2フェーズでは、今まで稼いだお金を元手に融資を使ってレバレッジをかけて不動産投資を始め、経済基盤がある程度安定するまで頑張ってみる。

そして、第3フェーズでは、余剰資金を使って株や海外不動産のようなキャピタルゲイン中心の投資を始めてみる。

そこで生まれた利益で、どんどんインカムゲイン資産を買い増して、さらに基盤を盤石にする。この流れが一般的です。

STEP7 最後は自分で決める

「タンス預金を積み上げる」「会社の給与に依存する」「マイホームを買う」。そこに共通することは、ひたすらリスクを避けていること。

「自己防衛」なのかもしれませんが、見方を変えれば、自ら何も考えず行動している状況です。

「お金を守る」だけでは「リスク」になる

会社勤めにしても給与所得に頼り切るからこそ、倒産やリストラ時に対応できないわけです。

マイホームの住宅ローンが返済不能になったら、自宅は没収されてしまいます。

「タンス預金なら資産価値が減らない」と信じ込んでいる人は、インフレや円安時に実質的に資産が目減りするリスクがあることに気がついていません。

不確実な世の中になった今、リスクを取らない方法だと長らく信じられてきた生き方が、むしろリスクになっていることをもっと意識すべきではないでしょうか。

内藤忍(ないとう・しのぶ)
1964年生まれ。東京大学経済学部卒、マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院(スローン・スクール・オブ・マネジメント)修士課程修了(MBA)。大手信託銀行、外資系資産運用会社勤務を経て、1999 年にマネックス証券株式会社の創業に参加。株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長などを経て、株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長、一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事に就任。著作は 30 冊を超え、『初めての人のための資産運用ガイド』はシリーズ17万部のベストセラーに。

【保存版】2019年、知らないと損する「お金のはなし」
相続対策に失敗した「元富裕層」の悲惨な末路