「時間を買う」という意識がより高まる

篠原:今年のキーワードとして。

冨田:企業の世界で言うと、どこかの会社をM&Aするときに、時間を買うんだって、ソフトバンクの孫社長なんかも言うんですけど。個人の方たちも、もっと時間を買うという意識がすごい高まってくるんじゃないかなっていうふうに思っています。そのココロは、共働きで、こういった税制改正が行われているというのがひとつあると思います。

これがひとつ目に言いたかったことで、これから見えるもうひとつのことが何かというと、個人増税。これは表向きは減税に見えなくはないんですけど、実はこれとともに、ある一定以上の所得の方たちには、配偶者控除枠をなしにしちゃうよっていうのも同時に行える流れになってきています。

「個人増税」お金のことをより考える流れに

つまり個人増税が毎年行われてきています。ちょうど先月12月に、税制大綱っていうのが発表されています。そのなかでいくつか気になることがあって、ひとつは所得税で会社員を対象とした給与所得控除、そして公的年金等控除を10万円引き下げる。なので、これ引き下げられてしまいます。その代わり、組織に属さず働いている人が対象になる基礎控除は10万円引き上げる。つまり自営業の方たち、フリーランスの方は減税なんですが、会社員の方たちはじゃっかん増税が行われたというふうに思っていただいていいと思います。

同じように、年収が高い方たちに対しての所得に対する基礎控除額っていうのが、また削減されています。これ、毎年のように最近削減されているんですけど、年収850万以上になると、上限195万円までしか給与所得控除というのが、受けられないという形になっています。ちょっと前までは、220万円という形で、毎年徐々に下がっているような状態なんですけど。

篠原:会社員の経費ですよね。経費が少なくなってきたと。

冨田:こういった大きな流れのなかで、個人増税。一方で法人とかフリーランスの方たちに対する優遇というのがあるので、おそらくもっとより多くの人たちが、こういった自営業とかフリーランスになっていくんだろうなという流れもありますでしょうし、稼いでいる方たちが、法人を作るって方たちなんかも増えていくのかなとも思います。

一方でこの流れのなかで、すごく私が従前より思っていることが、金融所得とか不動産所得っていうのが、ずっと増税というよりも減税傾向にある。それはiDeCoの話もそうだと思うんですけど、つみたてNISAなんかも始まるということで。一方で金融所得税制って、20%一律だったりするんですね。

不動産所得に関してもいろんな減税が用意されています。なので、もっと多くの方たちが、フリーランス、自営業になるって、副業されていくって流れとともに、もっと多くの方たちが、たぶん金融所得や不動産所得っていわれる、まさにこの番組でも扱っていただいているような、お金のことを考えるような流れっていうのができてくるんじゃないかなと思います。

橋詰:自分たちでちゃんと考えて、金融とか不動産のことをもっと勉強しましょうねってことになってくるんでしょうかね。

冨田:そういう流れにまさになっているのかなと。金融所得とか不動産周りを増税すると何が起こるかというと、不動産価格が上がり止ったりとか、なんなら下がりはじめたりとか、金融市場が止まってしまったりとか、上がるのが止まってしまって下がりはじめたりとか。これって経済にとって悪影響なので。もちろん私は政府側の人間じゃないので、確かなことは言えませんけど、やっぱり税制強化ってしづらいんですよね。金融市場、不動産市場が止まってしまうと、経済全体が停滞するので。

橋詰:お金を使いましょうってことでもあるわけですね。

冨田:金融所得とか不動産にお金が流れるようなわざと仕組みを作っていると言ったら変ですけど、こういった流れというのはあると思います。私が前職で富裕層の方たちと話しているときには、個人の所得税って、住民税を入れると最高税率って55パーセントまでいってしまうんですね。なんですけど、金融所得ってどんなに稼いでも20パーセントが上限なんですよ。55パーセントと20パーセントだったら、それは20パーセントのほうを。大きな税制の流れを考えながら、お金のことを考えていくということが必要になってくるんだろうなと。

橋詰:これからの若い人たちの働き方とか、シニアの働き方、生き方とかっていうのも、だいぶ変わってくるでしょうね。

冨田:というふうに思っています。まさに人生100年生きる時代だっていうふうに言われていますけど、そうするとより老後が長くなるって話。もしくはもっと長く働くって話になってくると思うので、そういう世のなかになったときに、お金の話っていうのが重要になってくるんじゃないかなって思っていますし、個人的にもそういうようななかで、今こういったビジネスをできているというのも、すごくやりがいがあります。

橋詰:ということで、キーワードとしては、冨田社長としては、2018年、配偶者控除、配偶者特別控除見直し。そこから見えてくる経済であったり、生き方であったりというところに注目。考えさせられますね。今日は株式会社ZUU代表取締役社長の冨田和成さんをゲストにお招きしてお送りしています。


篠原:任せちゃだめだめ、お金のこと。心配せずに生きていくには、まずは正しい情報を知ることから。

橋詰:ZUU onlineプレゼンツ、笑って役だつマネークリニック。

篠原:ファイナンシャルプランナー篠原充彦と。

橋詰:橋詰優子がお送りしています。


篠原:ファイナンシャルプランナー篠原充彦と。

橋詰:ABCアナウンサー、橋詰優子がお届けしてまいりました。

篠原:いやいや、もうエンディングになっているじゃないですか。ちょっと待ってくださいよ。

橋詰:あれ?おかしいな。

篠原:もうエンディングじゃないですか(笑)。

橋詰:すいません、全然時間足りませんでしたね。

冨田:(笑)すいません。しゃべりすぎました。

橋詰:もうね、冨田さんのお話が力強すぎて、篠原さんのフリップまでたどり着きませんでした。

篠原:いや、そうなんですよ。もうフリップにじんできましたよ。

橋詰:涙で(笑)。

篠原:涙で(笑)。

冨田:(笑)

橋詰:篠原さんもすごく興味深いテーマを挙げてくださったので、これは次回、たっぷりと時間を取って。

篠原:冨田社長も一緒に、次回。

橋詰:すいません、急遽なんですけど、来週もお越しいただけますでしょうか、冨田さん。

冨田:……はい。わかりました!(笑)

篠原:よかったー(笑)。

橋詰:よかったー。

篠原:聴いてもらわれへんとこやった(笑)。

橋詰:(笑)ですので、来週は篠原さんの2018年の大予想。そして冨田さんにも、来週引き続きお越しいただきまして、お金にまつわるいろんなお話、引き続きよろしくお願いいたします。

冨田:よろしくお願いします。

橋詰:ということで、来週もスペシャルでお送りします。ぜひお聴きくださいね。

篠原:さよならー。 橋詰:さよならー。 冨田:さよならー。

(提供: 朝日放送ABCラジオ (AM1008 FM93.3))

<MC略歴>
篠原充彦 篠原FP事務所 代表
「笑い」と「お金」を融合させた『お笑いマネー講座』を全国で開催。高校、大学、企業、病院などでおこなっているお金に振り回されないための教養講座は、明るく軽快なテンポでの解説に定評がある。CFP®(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

橋詰優子 ABCアナウンサー
『純一のシネマに乾杯~Cheers! Looking at you,kid.~(ナレーション)』『新婚さんいらっしゃい!(解説放送)』『スタンダップ(ナレーション)』『橋詰優子のサンデーかうも。』など担当。