昨日の海外時間には、19日の暫定予算失効を控えて米政府機関閉鎖への警戒感が強まるなかで、米10年国債利回りは2.53%台とこの日の最低水準で引けました。ドル円については、米10年国債利回りの低下とユーロドルおよびポンドドルが買われた影響で、110.250円(当社レート)と9月15日以来の安値を示現しました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間では、連立継続に向けて、メルケル独首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と先週合意した社会民主党(SPD)のベルリン支部が連立交渉を拒否したとの独紙報道で、1.22ドル前半に下落する場面がありました。ECB関係者3人が25日の次回政策発表で資産買い入れプログラムを継続するとの指針を取り下げる可能性は低いと発言したことや、ビルロワドガロー仏中銀総裁が「最近のユーロ高でインフレ見通しは不透明になる」と発言したこともあり、一時1.21954ドルまで下落する場面がありました。

しかし、NY時間に入ると、バイトマン独連銀総裁が資産買い入れの年内終了や2019年半ばの利上げ実施に言及したこともあり、再度ドル売りユーロ買いが再開されたこともあり、一時1.22806ドルとこの日の高値を更新する動きになりました。

本日の東京時間では、注目のユーロドルは新たな買い仕掛けもあり、一時1.23225ドルに急伸する場面がありました。これは、2014年12月18日以来の高値更新であり、ECBが年内に資産買い入れプログラムを終了するとの見方が増幅するとの見方が主導しています。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは73%で変わらずとなっています。

今日の予定

本日は、米・12月鉱工業生産、加中銀(BOC)政策金利発表、米・ベージュブック(地区連銀経済報告)などの経済指標が予定されています。

今後の見通し

直近大きく値を下げたドル円ですが、格付け会社ムーディーズが日銀の早期の金融引き締めを予想していないとの見方を示したことで、ドル円の反発基調が強まっています。調整の意味合いもあり、一時的に円売り方向に動きやすい展開になる可能性がありそうです。

ユーロドルロング継続

現在は反落しているものの、一時1.2300ドルを上抜けたこともあり、引き続き1.2400ドルがポイントになりそうです。ユーロロングのポジションは1.2400ドル付近までは保持する方向で考えます。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。