日経平均予想レンジ23,588~24,100円

今週は、米国株が堅調な経済指標や企業業績拡大期待から終値で初の26,000ドルを突破した上、円高進行に一服感が出たことが支援材料となった。日経平均は良好な外部環境を好感して、24,000円を突破し、バブル崩壊後の戻り高値を更新した。

海外の焦点

米企業の好決算や堅調な経済指標を背景に3指数は、史上最高値を更新した。

12月CPIは前月比0.1%にとどまったが、変動の大きいエネルギーと食品を除いたコア指数は0.3%上昇し、11カ月ぶりの伸びを記録した。FRBが17日発表した12月鉱工業生産指数は、好調な世界経済とドル安基調に支えられ、前月比0.9%上昇、市場予想の0.4%を大幅に上回った。

また、昨年12月に決まった大型減税効果に対する期待は強く、S&P500の予想PERは12/18、20.3倍であったが、1/10現在18.43倍に低下した。2018年は法人減税による予想利益が2017年より10%程度増加すると見込まれていることが予想PERを押し下げた。

ちなみに、2016年12/28、19.10倍から増益予想によって1/3には17.37倍まで急低下し、割安感から指数は上昇基調を続けた。今年も割安感が追い風となっており、先週から始まった10-12月期の予想利益が上方修正となれば、株高基調が続いてもPERは18倍台にとどまり、更なる上値余地を探る展開が続きそうだ。

国内の焦点

今月下旬から始まる決算発表が上値余地を占うこととなりそうだ。

足元のPERは15.67倍、EPSは1,523円。この水準での適正水準は23,700円近辺なので現在の水準は適正水準といえる。今後の決算発表で予想利益が切り上がり、EPS1,550円、PER15.6倍で24,200円、1,600円に上方修正されると25,000円に切り上がる。

一方、円相場は日銀の緩和姿勢の後退が材料視され、一時4カ月ぶりにドル安、円高進行(110.30)となり、日本株の上値を圧迫した。日銀短観では、大企業製造業の2017年度想定レートは110円18銭、下期においては109円66銭に修正、徐々にのりしろがなくなりつつある。

もっとも企業の円高抵抗力が付いて、昨年からやや、ドル円離れしており、米国株が大幅反落しない限り、日本株に与える影響は限定的と見ることもできる。

来週の株式相場

以上、来週は上値追いには円相場の一段の軟化など刺激材料が必要だが、月末から始まる決算発表を見据え、節目の24,000円突破で上値余地を探る局面に入ったと見ている。日経平均のレンジは上値はPER15.8倍の24,100円付近が意識され、下値は1/12安値23,588円が目処となろう。

伊藤嘉洋,株式相場見通し
(画像=岡三オンライン証券)

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト