毎月節約をして貯金をしたいと思っていても、やりくりがうまくいかない人もいるかもしれません。毎月の給料を毎月使いたいだけ使っていると知らないうちに無駄遣いし、収支が赤字になる可能性もあります。家計を固定費、変動費に分けてうまくやりくりする方法を考えましょう。

家計を「見える化」しよう

年収や月収が人より高ければお金が貯まるのではないかと思うかもしれませんが、そうとは限りません。どの人にも大切なのは家計の収支状況を確認し、現状把握をきちんと行うことです。お金の使い道をたどるためには、家計の見える化が必要です。

まず、毎月の支出を「固定費」と「変動費」に分けてみましょう。住宅費、公共料金、通信料、教育費、保険料、ローンなど、毎月の支出額がほぼ決まっているものを固定費、食費、娯楽費、交際費、雑費など、状況によって支出額が変わるものを変動費とします。なお、冠婚葬祭や故障による家電の買い換え、一時的な病気やケガでの通院など、急を要する臨時の費用は別枠にしておきましょう。これらを具体的に家計簿ノートやアプリ、パソコンの表計算を利用してまとめ、どの項目での支出割合が大きいのかを確認します。

固定費をスリム化し、毎月の支出を抑える

家計簿をつけて各項目の支出がいくらあるのか分かったら、実際に見直しをします。まずは固定費を見直します。固定費は毎月必要な出費で、今後もずっと支払い続ける可能性があります。毎月1,000円の支出削減でも1年では1万2,000円、5年では6万円、10年では12万円の差が生まれるので、長く続けることで見直しの効果を大きく感じられます。各項目での見直しポイントをそれぞれ考えてみます。

家賃
賃貸住宅の場合、一般的に家賃は手取り収入の2.5割から3割くらいが目安だと言われています。人それぞれ価値観は異なるものの、収入に見合わない高額の家賃を支払っている場合は、更新時期にあわせて引っ越しも検討しましょう。

マイホームの住宅ローン
繰上返済をすれば、今後支払う利息が減る分、支払総額も減少します。しかし、無理に貯金を取り崩して繰上返済をしてしまうと、急な出費が発生した場合に対応できなくなるかもしれません。

そのため、ボーナス時や、急な出費への備えを上回る貯蓄ができた時に繰上返済を行うなど、返済サイクルを作りましょう。また、住宅ローン金利が高い時に契約したローンの場合は、住宅ローンを借り換えするのも手です。ただし、住宅ローンの借り換えには手数料がかかるので、ローン金利低下のメリットと追加的な費用のデメリットを総合的に勘案する必要があります。

生命保険の見直し
本来、生命保険は公的保障や貯蓄など、将来への備えの不足分をカバーするためのものです。ですから、将来を不安視して必要以上の保険に加入し、その保険料の支払いのために貯蓄ができない状態が続くのは本末転倒です。

そこで、現在加入している保険の中に、自分にとって不要なプラン、特約がないかを見直します。不要な特約を見直すだけでも、月々数千円保険料が減額できる場合があります。また、現在加入している保険が自分のライフプランにあっているのかどうかを定期的に見直すことも大切です。

上記以外に、通信費や光熱費を見直しするのもよいでしょう。契約する会社を変更する、料金プランを変更するなどで、月々千円単位で差が出る場合もあります。また、これらの固定費の支払いにクレジットカードを利用すれば、ポイントが貯まる場合もあるので、検討してみましょう。

変動費を見直して家計をやりくりしよう

変動費は何にいくら使っているか、そしていくら減らせるかを意識するだけでも実際の支出額がだいぶ違ってきます。ただ、一時的に我慢して支出を減らしてもストレスが溜まり、その反動で衝動買いをしてしまう可能性もあります。そのため、どの費目でも月々いくらまでと無理のない範囲で予算を決めて管理することが大切です。

食費・交際費
一人暮らしや会社の付き合いが多い人はどうしても外食が多くなり、食費や交際費がかさみがちです。外食するお店を少し意識する、クーポン券を利用する、飲み会は一次会で帰るなどで支出を抑えられます。自炊は食費を抑えるのに有効な方法です。旬の食べ物は比較的安く手に入るので、レパートリーを増やせば、安くておいしい食事をいただけて、健康にもなれます。

飲み物代など
毎日コーヒーショップで買うカフェラテなど、日々何気なく使っている小さな出費を「ラテマネー」といいますが、ラテマネーを抑えるためにはマイボトルを持つなどの工夫をするのがよいでしょう。何も買う予定がないのに、ふらっとコンビニに入ったりするのも、ラテマネーが増える原因になるので気をつけましょう。

タクシー代
仕事から帰宅するのが遅くなりタクシーを使う、数駅の移動でタクシーを使うということを日常的にしていれば、費用がかかります。公共交通機関を使い、出費を抑えましょう。家から数駅の移動であれば自転車を使うのも手です。健康にもいいですし、出費は駐輪代だけで済みます。

被服費
ついつい同じような洋服を買ってしまう人もいるのではないでしょうか。そのような人はクローゼットの中を整理整頓するのが節約のコツです。コートなどの長く使うものは上質なものを、シャツなどのアイロンをかければ綺麗に着こなせる洋服は安価なものを……という風にメリハリをつけて購入するのもよいでしょう。

月々の予算を決めてやりくりを

上記のように月々の固定費と変動費を見直したら、改めて毎月の予算を決め、予算内でどのようにお金を使ったらよいのかを考えましょう。少しの節約と見直しで月々数千円から多い人では数万円貯蓄に回せるお金が生まれるはずです。このお金を貯蓄や積立投資に回して、資産形成に役立ててみてはいかがでしょうか。(提供:マネーLife Style


【オススメ記事 マネーLife Style】
家計簿アプリで収入と支出を管理しよう
年収1,000万円でも貯金ができない人の生活習慣とは
学資保険で子どもの進学に備えよう
今のままで足りる?老後にかかる想定費用はいくら?
住宅ローンの借り換えで気をつけるべきこととは!