投資信託(投信、ファンド)の購入を検討する時には人気ランキングなどを鵜呑みにせず、自分の投資方針やライフプランに合った投資信託を選ぶことが大切です。そこで、投資信託を選ぶ際のポイントをお伝えします。
投資信託のランキングは参考指標として活用を
一般社団法人投資信託協会によれば、2017年11月末現在、国内には6,154本の投資信託(公募のみ)があります。2016年12月末は6,060本だったので、1年弱で100本ほど増加しています。
これだけ多くの中から、自分にあった投資信託を見つけるには情報収集が必要です。そこで、投資信託を選ぶ時には周囲の人に相談したり、人気ランキングやオススメランキングを見て購入する投資信託を決める人もいるのではないでしょうか。
ランキングは実際に人気があり、お金が集まっている投資信託がわかるのがメリットです。「この投資信託は良い商品だ」とオススメされた銘柄が、もしランキングに掲載されていれば、「みんなが保有している人気の投資信託なので安心だ、購入しよう」という気持ちになるのかもしれません。
ランキングは鵜呑みにせずに、自分にあった投資信託を選ぶことが大切
とはいえ、ランキングに掲載されている投資信託があなたにとって必ずしも最適とは限りません。ランキングは現在資金が流入している投資信託や、投資家が注目している市場を参考にする程度に留めるのが肝心です。
なぜなら、今人気がある投資先であったとしても、将来も同じように人気が続くかどうか定かではないからです。また、お金が集まっている投資信託はすでに大きく値上がりした後かもしれません。
投資信託を選定するにあたって大切なのは、ライフプラン、投資方針や投資目的、リスク許容度(どれだけリスクを取ることができるか)、目標とするリターンに見合うかということです。そのため、投資信託を決める前には必ずライフプランを見据えて、いつまでにいくら資産を蓄える必要があるのかを具体的に把握したうえで、投資先を検討する必要があります。
投資信託選びの5つのポイント
それでは、投資信託を選ぶ時にはどのような点に注意したらよいのでしょうか。投資対象、純資産残高、信託期間、諸経費、収益分配金(分配金)の5つの面から考えてみましょう。
● 投資対象を確認すること
まず確認したいのは投資対象です。投資信託は、国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)などに幅広く投資するものもありますが、国内株式、米国債券、新興国株式など、投資対象をある程度しぼった投資信託の方が、多くなっています。ですから、その投資信託が何を投資対象としているのかを確認することはとても重要です。
たとえば、1年で5%程度の値上がりを投資目標としている人が、日本国債だけで運用する投資信託を選ぶのはミスマッチです。自分の投資方針や投資目的に対して、投資対象のリターンやリスクが合致したものを選びましょう。
● ある程度の純資産残高があること
投資信託を選ぶ際には、投資信託の規模を表す純資産にも注目しましょう。投資対象にもよりますが、純資産が数十億円以上あった方が、その投資信託の狙い通りの運用がしやすいとされます。逆に、純資産が数億円以下だと継続的な運用が難しくなり、償還される場合もあります。予定外の時に償還されると、自分の投資計画を見直さないといけなくなってしまいます。
● 信託期間を確認すること
次に確認したいのは信託期間です。信託期間とは、投資信託の運用開始(設定)から運用終了(償還)までの期間です。なかには期限の定めがない無期限の投資信託もあります。残りの信託期間が短いと、自分が期待した投資成果が出る前に償還になってしまう可能性もありますので注意しましょう。
長期投資を考えているのであれば、信託期間が無期限のものか、少なくとも5年以上あるものを選ぶ必要があります。
● 諸経費(コスト)とリターンのバランスが良いこと
投資信託には購入時手数料(販売手数料・申込手数料)、運用管理費用(信託報酬)、信託財産留保額、解約手数料などの様々な手数料がかかる可能性があります。しかし、購入時手数料(販売手数料)のかからないノーロード投資信託、運用管理費用の料率が低いもの、信託財産留保額や解約手数料のかからないものなど、各々の投資信託によって内容が異なるので確認が必要です。
仕組みが複雑な投資信託はコストも高くなりがちですので、初心者の場合は、インデックスファンド(インデックス型投資信託)など比較的仕組みが簡単でコストが低いものを選んでから、積立投資を活用して、時間分散を図るのがよいでしょう。
● 収益分配金を意識せず、成長性や安定性も指標に
投資信託には運用成果にあわせて投資家に対して収益分配金(以下、分配金)を支払う場合があります。分配金がたくさん出る投資信託には人気が集まりがちですが、分配金が多いから良い投資信託、少ないから悪い投資信託というわけではありません。投資信託の運用成果の良し悪しを判断するには、分配金のほかに基準価額(投資信託の価格)の値上がり・値下がりを勘案したトータル・リターンを見る必要があります。
トータル・リターンは、投資対象が何かによって大きく変わってきます。分配金の大小だけでなく、自分が成長性を重視するのか、安定性を重視するのかなど、自分の投資方針に合った投資信託を選びましょう。
わからない点は金融機関に確認を
このように、初心者にオススメしたい投資信託選びのポイントについて考えてきました。投資信託は商品性が複雑なものもあるので、上記の事柄を交付目論見書で確認し、わからない点があれば販売している金融機関に相談して理解することが大切です。
投資信託を選ぶ時は、オススメ商品や売れ筋商品、人気ランキングなどを鵜呑みにせず、上記のポイントを抑えて、自分の考えに合致したものを選択しましょう。(提供:マネーLife Style)
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