最近は、購入時手数料(申込手数料・販売手数料)が無料になるノーロード投資信託の増加に伴い、ノーロード投資信託の「おすすめ・人気ランキング」、「徹底比較」、「積み立て投信ガイド」といった記事や特集を新聞や雑誌等で見かけた人もいることでしょう。そこで、ノーロード投資信託を選ぶ時のポイントについて考えてみます。

ノーロード投資信託(ノーロードファンド)とは

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(写真=fendyrodzi/Shutterstock.com)

ノーロード投資信託(ノーロードファンド)とは、購入時手数料のかからない投資信託のことを指します。投資信託の購入時手数料を英語ではloadということから、購入時手数料のかからない投資信託を”no load fund”と呼んでいます。投資対象は株式や債券、REIT(不動産投資信託)など、さまざまです。

従来、投資信託を購入する際には、販売会社(証券会社、銀行などの投資信託を販売する金融機関等)に対して一定の購入時手数料を支払うものとされていました。しかし、投資信託の購入時手数料の自由化に伴い、それぞれの投資信託の約款で定める上限の手数料率までの範囲内で、各販売会社が購入時手数料を自由に決めることができるようになりました。これにより、同じ投資信託でもネット証券などのインターネット経由での取引を中心に、購入時手数料が割安、あるいはノーロードといった場面が徐々に増えてきました。

2014年に始まったNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)や2017年に本格的に開始したiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)などの投資優遇制度に続いて、2018年1月より始まった「つみたてNISA」では、金融庁が定める対象商品のうち、ETF(上場投資信託)を除く投資信託はすべてノーロード投資信託です。

ノーロード投資信託は購入時手数料がかからない分、実際の購入金額が増えるため、投資家にとっては魅力的だといえるでしょう。とくに、投資信託の積立をする場合、1回1回の購入時手数料の差は微々たるものでも、毎月の積立を行えば、数年後には購入時手数料の合計額が大きくなっている場合もあります。

ノーロード投資信託検討時の3つのポイント

このようにノーロード投資信託が身近になる中、どのように購入する投資信託を選んだらよいでしょうか。

ポイント1.投資信託は長期投資が前提であることを忘れない
投資信託は基本的に長期投資が前提です。そのため、まずは自分の投資方針をよく確認しましょう。投資信託は投資方針や投資対象にさまざまな違いがあります。ノーロード投資信託の中に自分に合った投資信託が仮になかった場合は、投資をする必要はありません。自分の投資方針に沿った投資信託選びをする中で行き着いたのがノーロード投資信託であることが大切です。

ポイント2.投資信託は手数料等諸経費(コスト)トータルで検討する
投資信託は購入時手数料以外にも、運用管理費用(信託報酬)や、その他の費用としてファンドの監査報酬、有価証券売買時の売買委託手数料、外貨建て資産の保管手数料などが発生します。場合によっては、信託財産留保額や解約手数料が発生する投資信託もあります。そのため、運用効率を高めるには、手数料等諸経費の仕組みや特徴を知り、総合的に判断することが大切です。なかでもポイントとなるのは運用管理費用です。

運用管理費用は年率で記載されていますが、実際には投資信託の保有中、日々運用財産から日割りで差し引かれています。購入時にノーロードだったとしても、運用管理費用が高ければ、長期的に見ると手数料等諸経費が割高になる場合もあります。

例えば、株式市場全体の値動きを上回る収益獲得を目指すアクティブ型投資信託は、投資信託に組み入れる銘柄を選ぶための調査・分析に多くの諸経費を必要とします。一方で、目標とする株価指数の全銘柄または主要構成銘柄を機械的に組み入れるパッシブ型(またはインデックス型)投資信託は、銘柄の調査・分析に諸経費があまりかかりません。そのため、パッシブ型投資信託はアクティブ型投資信託に比べて運用管理費用が低くなることが多いと言われています。

ポイント3.投資信託の規模を確認すること
最後に投資信託の規模を確認しましょう。投資信託の中には規模(純資産)が極端に小さい投資信託があります。そのような投資信託は、規模の大きな投資信託に比べると投資対象が十分に分散できず、投資方針に沿った値動きにならない場合があります。加えて、投資家の購入や解約で投資信託の規模の割に大きな資金の出入りがあると、市場の値動き以外の理由で基準価額(投資信託の価格)が変動してしまうリスクもあります。ノーロード投資信託を購入するにあたっては、投資信託の規模も考慮しましょう。

ノーロード投資信託

ノーロード投資信託は取り扱いのある金融機関に口座があれば少額でも購入可能です。種類や本数も徐々に増え、充実してきています。投資初心者でも購入時手数料がかからないので始めやすい投資信託のひとつでしょう。今回お伝えした3つのポイントを踏まえて比較検討することが大切です。

なお、実際の購入時手数料、運用管理費用、信託財産留保額、その他の費用などは、交付目論見書を確認するか、販売会社にお問い合わせください。(提供:マネーLife Style


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