昨日の海外時間には、東アジアの地政学的リスクが意識されて円買いが強まった一方、米長期金利が低下したことからドル売りが優勢となりました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間序盤、ロイター通信が「中国から攻撃を受ける可能性排除せず=台湾の蔡総統」と報じられたことから地政学的リスクが意識されて円買いが強まって、ドル円は110.60円台まで、ユーロ円は135.30円台まで、ユーロドルも1.2220台まで下落しました。その後も米長期金利が低下して日経平均先物が売られる中ドル売りと円買いが強まって、ドル円は110.30円台まで、ユーロ円は135.20円付近まで下落幅を拡大した一方、ユーロドルは1.2250台まで反発しました。

NY時間にはいると、米長期金利が一段と低下する中ドル売りが続き、ドル円は110.20円台まで下落し、ユーロドルは1.2300台まで、ユーロ円も135.70円付近まで上昇しました。その後NY時間引けにかけては各通貨ペアとももみ合いとなりました。

東京時間にはいってドル円は上値の重い展開が続いていて、損切り注文を巻き込んで110円割れとなっています。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは74%で変わらずでした。

今日の予定

今日の海外時間には、独/ユーロ圏・1月製造業/サービス業PMI、英・12月雇用統計、米・12月中古住宅販売件数の発表が予定されています。

今後の見通し

先週始めの2.54%台から2.66%まで上昇した米長期金利ですが、昨日は2.60%台まで反落しまし、ドル売りの材料となりました。ドル円は一時昨年9月以来の水準まで下落した一方、ユーロドルは最近のレンジの上限付近まで上昇しています。明日にECB理事会を控えたユーロですが、明日は大きな決定はない見通しですが、3月には大きな動きがあると予想されていることから、ドラギ総裁の発言には敏感になると予想されます。今日発表される独/ユーロ圏・1月製造業/サービス業PMIが強めの結果となった場合も、思惑を呼んでユーロ買いが強まると考えられます。

ユーロ円買いポジションを維持

135.50円のユーロ円の買いポジションを保有中です。135円割れに損切りラインを置いて、年初来高値の更新に備えます。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。