このコーナーでは毎週原則木曜日に実施しているMarket Talk(動画セミナー)のサマリをお届けします。
2018年1月25日(木)Market TalkのSummary
円高が進むと日本株にとっては逆風だと思われるが。
黒田総裁が金融緩和縮小を否定したことにより、日銀の緩和縮小観測で円高に振れていたのが円高圧力が和らぐだろうと言われていたが2時間ぐらいしかもたなかった。一瞬円安方向に動いたが、ロンドン時間が始まったら堰を切ったような円高の流れになった。そもそも為替取引は投機的なもの。株や不動産は資産なので、キャッシュフローや利益などから資産としてその価値を評価する方法で値がつけられているが、通貨は交換レートなので、一方の通貨が高くなった安くなったというだけの話。為替の世界では金利差で為替が動くと言われているが、現在の名目金利差、実質金利差はドル高を示唆しているものの、今の為替レートは真逆をいっている。つまり金利差でいえば現在の円高は全然説明がつかない円高だと考えられる。今はこのように理屈になっていないようなことで為替は動いているので過度に気にする必要はないだろう。
日経平均については、本日は300円近く下がったものの、24,000円の水準まできている。これはどういう水準かというと年初から3日続伸して3日続落、2日続伸して2日続落というリズムできていて、今は結局最初の3日続伸3日続落のところにもどったところ。つまり年初から1000円以上上げてその後200円くらい下げた水準にきているだけである。今後もこのように上がったり下がったりしながら徐々に水準が上がってくればよい。昨年末の水準の23,000円を抜けなかったのが年初から一気に抜けて24,000円まできた、為替がこれだけ円高になってもそれが少し押した程度だと考える。
来週以降本格化する日本企業各社の決算発表で24,000円を抜けて25,000円に向かうのでしょうか?
そうなると思う。昨日安川電機が下げたことで、期待が高過ぎた、出尽くしたと言われたが、結局安川電機は今日切り返してきた。日本電産も昨日好決算を出して本日朝は売られたが結局は買われた。不自然なことは続かない。良い決算を出した企業が買われるのは当たり前の話で、今は円高で短期的に悲観論が高まっているが、3歩進んで1歩下がるぐらいのイメージで上がっている相場だと思う。
その他、地銀、石油関連、海運銘柄、また有望な業種などについてもコメントしています。
広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
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