退職後の生活を見据えて老後資金を蓄えようと思う人もいることでしょう。しかし、超低金利時代といわれる今、預貯金はなかなか増えづらく、投資も含めた資産形成を検討する必要があります。そこで、老後に向けた資産形成方法のひとつ、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)について説明します。

日本の高齢化社会の状況

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(写真=Syda Productions/Shutterstock.com)

内閣府の「平成29年版高齢者白書(全体版)」によれば、2050年には男性の平均寿命は84.02歳、女性の平均寿命は90.40歳になると言われています。65歳以上の高齢者の人口割合は37.7%にまで上昇し、65歳以上の高齢者1人を、15歳〜64歳の1.4人が支えるという推計です。

また、生命保険文化センターが2016年9月に発表した「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版)」によれば、老後に夫婦2人暮らしをする上では最低でも月額22.0万円の日常生活費が必要だとされており、実際の生活費は平均で月額26.9万円ほどかかっています(総務省「家計調査2016年詳細結果表」における世帯主が60歳以上、二人以上の無職世帯の実支出)。老後の収入として、国民年金や厚生年金のほか、人によっては企業年金も受給できるかもしれませんが、高齢化が進み、年金が減る可能性が示唆される中、将来の生活にかかる費用を蓄えるために自助努力が必要な時代が訪れているといえます。

iDeCoのメリット

iDeCoは分かりやすく言うと、「じぶん年金を積み立てられる制度」です。iDeCoに加入すると、毎月5,000円以上1,000円単位(上限は加入している年金制度等により異なります)の掛金を積立(拠出)して、自分で設定した金融商品で運用を行い、60歳以降に、運用成果を年金または一時金として受け取ることができます。なお、原則として60歳になるまで引き出すことはできません。

iDeCoにはいくつかのメリットがあります。節税効果、手軽さの2つの点から考えてみましょう。

●節税効果
iDeCoの最大のメリットは節税効果です。iDeCoには3つの節税効果があるといわれています。

1つ目は運用中の運用益が非課税になることです。通常、預貯金の利子や有価証券等の売買益、分配金などの運用益から、所得税15.315%(復興増税含める)、住民税5%のあわせて20.315%が徴収されます。しかし、iDeCoの中で運用している間は運用益は非課税となります。

2つ目はiDeCoの掛け金は全額所得控除の対象になることです。具体的には自営業者の場合は確定申告、会社員や公務員の場合は年末調整によって、所得税と住民税の負担が軽減されます(ただし、専業主婦など、課税される所得がない人は、所得控除による節税効果はありません)。

3つ目はiDeCoの運用成果を受け取る時にも控除が受けられる点です。iDeCoで運用した場合、60歳以降、運用成果を年金または一時金として受け取ることができますが、年金として受け取るときには公的年金等控除、一時金として受け取る場合は退職所得控除を受けられます。

●手軽さ
iDeCoによって積み立てた資金は、投資信託、保険、定期預金等の金融商品で運用します。保険、定期預金は元本確保型に限られ、投資信託は運用の専門家による長期投資が行われますので、逐一金融商品の動向をチェックする必要はありません。もちろん、iDeCoで運用している金融商品も途中で見直しができます。運営管理機関から毎年1回は運用報告書が届くので、内容を確認し、必要であれば利益確保する、商品を変更する(スイッチング)、資産配分を調整するなどの対応を行うことも大切です。

iDeCoのデメリット・注意点

iDeCoにはメリットがある反面、デメリットや注意点もあります。60歳まで引き出し不可、元本割れリスクが生じる、の2つです。

●60歳まで引き出しができない
iDeCoで積み立てたお金は原則60歳まで引き出せません。さらに加入期間が10年未満の場合、加入期間に応じて受取可能年齢が61〜65歳に変更されます。つまり、病気やケガなどで急に資金が必要になった場合でも引き出せない点には注意が必要です。

●元本割れリスク
iDeCoの対象商品には元本割れのリスクがあることに注意しましょう。iDeCoの運用商品は投資信託、保険、定期預金などがあります。iDeCoは毎月口座管理費用(手数料)がかかります。そのため、定期預金などの元本が確保できる商品で運用している場合でも、現在の低金利の状況では手数料で元本を割り込む可能性があります。さまざまな商品をバランスよくもつことが大切です。

老後のためにも早いうちから資金を貯めておこう

iDeCoはメリットやデメリット・注意点をおさえれば、後は運営管理機関や商品、掛金を決めるだけです。老後の資産形成にとって有効な手段のひとつになりますので、将来に向けて検討してみてはいかがでしょうか。(提供:マネーLife Style


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