「マイナンバー」という制度やカードの存在は知っていても、日ごろ必要がないこともあり、「どこに置いたっけ?」という人もいるだろう。しかし時期が迫っている「確定申告」にはマイナンバーが必要とされている。なぜ確定申告をするのにマイナンバーが必要なのだろうか。本当に必要なのか? 手元にカードがない場合、どうすればいいのだろうか?

確定申告にマイナンバーは必要なのだが……

確定申告,マイナンバー
(画像=PIXTA)

年末調整でマイナンバーの記載が義務付けられているように、確定申告時にもマイナンバーの記載は必要だ。確定申告時にはマイナンバーを記載するよう求められている。

マイナンバーを記載しないからと言って罰せられることはないのだが、後日税務署から連絡が行く可能性がある。

国税庁のサイトには、「記載がない場合、後日、税務署から連絡をさせていただく場合があります」とある。さらに「 ただし、その場合でも、税務職員が電話で直接マイナンバー(個人番号)を聞くことはありません。税務職員を装った不審な電話にはくれぐれもご注意願います」との但し書きがある。

マイナンバーとは

2016年からスタートしたマイナンバー制度は、国民一人ひとりに12桁の番号を与え、これを行政側が共通で管理・運用するものだ。マイナンバー制度が施行されるまでは、国民一人ひとりを識別するために行政機関ごとに独自の管理IDで運用していた。

これを統一された管理ID(マイナンバー)を利用することでスムーズに行政サービスを提供できるようにしたのがマイナンバー制度だ。

マイナンバーカードは必須ではない

確定申告ではマイナンバーが必要になるのでマイナンバーカードを用意する必要があるのではないかと考える人もいるだろう。しかし、マイナンバーカードは必須ではない。代わりにマイナンバー通知カード、もしくは住民票の写し(マイナンバー記載のもの)があれば代用することができる。

マイナンバーによる確定申告で副業は発覚するのか

ここで気になるのが、「マイナンバー付きで確定申告することで会社に副業がバレてしまうので」という点だろう。結論から言えばマイナンバーのせいで会社に副業が発覚するということはない。

マイナンバーはその用途が明確に定義されており、行政機関が手続きのために利用する以外に利用することはできない。会社が従業員の副業を怪しんでマイナンバーから所得状況などを確認することはできないことになっているのだ。

ただ副業が発覚するのは以下のパターンが考えられる。

  • 副業の所得を隠しているのが発覚して税務署から会社に調査が入る
  • 税金が不自然に高くて経理担当に怪しまれる
  • 周囲の人間からの密告

確定申告がきっかけで副業が発覚するというよりは、「確定申告をしなくて」「確定申告をしたものの、副業が儲かり過ぎて税金が上がって」「うっかり知り合いに話した副業が漏れて、運営しているサイトで個人名を載せていて」発覚するというパターンがほとんどだろう。

確定申告書の種類に はAとBがある

確定申告書はA様式とB様式が用意されている。所得の種類によってどちらを利用するのか決まるので確認しておこう。

・A様式
所得が給与所得や公的年金、雑所得、配当所得、一時所得のみで、予定納税のない人が対象の様式。会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者はこちらを利用する。

・B様式
所得の種類に関係なく誰でも利用できる様式。事業所得や不動産所得などがある人、個人事業主や自営業者はこちらを利用する。

マイナンバーを使った確定申告の方法

確定申告の申告方法は以下の3つが用意されている。

(1)税務署へ直接提出

  • e-Tax(インターネット申告)
  • 郵送

(1)税務署へ直接提出
これが1番オーソドックスな方法だろう。必要書類を用意し、そのまま税務署に提出する方法だ。この方法のメリットは不安があれば職員にその場で確認してもらうことができるというくらいで、メリットらしいメリットはない。

デメリットは税務署が平日の午前8時30分から午後5時までしか開庁していない。会社員だと仕事を休むしかないため、利用しづらいという点だ。

(2)e-Tax(インターネット申告)
パソコンやスマートフォンを利用して確定申告をすることができるのがe-Taxだ。この方法のメリットは24時間いつでも受け付けてくれるので、会社員であっても利用しやすい。還付金が振り込まれるまでの期間が短い(3週間程度)というメリットがある。

デメリットはe-TaxをするのにはマイナンバーカードとICカードリーダーを用意する必要があるという点だ。マイナンバーカードは役所に申請、ICカードリーダーも別途購入しなくてはいけないという手間がかかる。

(3)郵送
必要書類を用意して税務署に郵送する方法もある。郵便代がかかるが、会社を休まなくても提出することができるので会社員には利用しやすいというメリットがある。

デメリットは書類不備があった場合に再提出になると二度手間になる。ギリギリに提出してしまうと確定申告期間に間に合わないというリスクがある点だろう。

マイナンバーの記載場所はどこか?

確定申告書のどこにマイナンバーを記載するのか確認しておこう。マイナンバーおよび関連する書類が必要なのは3ヵ所だ。なお、A様式でもB様式でも記入箇所に大きな違いは無い。イメージとしてつかんで欲しい。

本人のマイナンバー(第一表)

まずは1枚目には自分のマイナンバーを記載する。右上に個人番号という項目があるのでこちらに自分の12桁のマイナンバーを記入する。

従業員や扶養家族のマイナンバー(第二表)

続けて二枚目には扶養家族(配偶者、子どもなど)などマイナンバーを記載する。B様式は従業員(専業従業者)がいるのであればそのマイナンバーも記載する。

本人確認書類の写し(添付書類台紙)

最後にマイナンバーが記載されている本人確認書類のコピーを添付書類台紙に添付する。マイナンバーカードがあればその表裏両面のコピー、マイナンバーカードがない場合はマイナンバー通知カードもしくはマイナンバーが記載された住民票のコピーを添付する。

マイナンバーカードは作るべき?

「マイナンバーカード」はなくても確定申告するうえで問題はない。しかし、マイナンバーカードを作るとメリットもある。たとえばマイナンバーカードを使って受けられる行政サービス には以下のようなものがある。

・コンビニ交付サービス
住民票や印鑑証明書など、各種証明書がコンビニで受け取れるようになる。コンビニであれば朝の6時30分から23時まで受取が可能なので、忙しい人でも手軽に証明書を入手できるようになる。さらに、市区町村によっては役所の窓口よりも交付手数料が安くなることがあるのでお得だ。

・子育て関連の申請サービス
妊娠の届け出、児童扶養手当の現状届け、認可保育所の入所や児童手当がオンライン申請できるようになる。さらに、予防接種や乳幼児健診のお知らせがマイナポータルに届く。

メールアドレスを設定しておけば、自動で携帯にメール通知が届けることも可能だ。特に幼児関連のお知らせは日々の生活でつい忘れてしまいがちになるので助かるだろう。

・身分証明書
マイナンバーカードは身分証明書としても利用できる。顔写真とマイナンバーが付いたカードなので国内で最高クラスの身分証明書となる。

マイナンバーを使った本人確認では、カードが無い場合はマイナンバーが記載されている書類と身分証の提示が必要になるが、マイナンバーカードがあれば一枚で済んでしまう。

・各種サービスのカードを統合できる
印鑑登録証明や図書館カードなど、さまざまなカードをマイナンバーカードに統合することができる。何枚も持つ必要がなくなるので管理が楽になる。

マイナンバーカードを作る方法

マイナンバーカード交付申請を行えば無料で作成することができる。交付申請から約1ヵ月程度で交付通知書が届くので、それを持って役所に行けば本人確認のうえ交付される。交付申請の方法は以下の方法がある。

  • 郵便
  • ネット(パソコン・スマートフォン)
  • 証明用写真機から申請

マイナンバーカードを作っておいて損はない

マイナンバーカードのメリットを最大限に引き出すにはICカードリーダーが必須だ。これはマイナポータルからの各種申請やe-TaxなどにはICカードリーダーでのログインが必要だからだ。

しかし、実はICカードリーダー自体は1,500円~3,000円程度で購入できる。一度手に入れれば確定申告が楽になるうえに、SuicaやICOCAなどの電子マネーの残高や履歴を確認できるといった便利な面もある。特に個人事業主は交通履歴をプリントアウトしておけば経費の証明にも使えるので便利だろう。

また、マイナンバーカードを作成するのは手間かもしれないが、今のうちの作成をおすすめする。政府は2020年の青色申告特別控除を改正 、65万円の控除額を55万円にすることを決定した。これを従来の65万円の控除にする方法はe-Taxによる電子申告をした場合となっている。

国は最終的にはe-Taxだけで確定申告にする可能性があるということだ。後回しにするくらいなら今のうちに慣れておいたほうがストレスもないだろう。

所得は正確に申告を

銀行口座の新規開設にもマイナンバーは必須となっており、これにより国が持つ個人のデータと銀行データのひも付けが可能となった。以前まではち「ょっとしたお小遣い稼ぎで入ったお金であれば副業ではない」ということで申告しなかった人もいるだろう。

しかし、マイナンバーから個人の銀行口座の残高照会が可能となったことで、「所得」となったものはすべて申告対象となっている。脱税とならないように自分の所得の把握は日頃から行っておくべきだろう。(ZUU online編集部)