昨日の海外時間には、米長期金利が低下してドル売りが強まる場面もありましたが、ムニューシン米財務長官が「私は強いドルを断然支持する」と述べたことからドルが買い戻される中円売りが優勢となりました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間、序盤から米長期金利が低下したことからドル売りが優勢となる中、特に欧州通貨が買われ、ユーロドルは1.2440付近まで、ユーロ円は135.10円台まで上昇し、ドル円は108.50円台まで下落しました。

NY時間午前、各国株価と原油相場が下落する中ドルが一段安となってドル円は108.40円台まで下落し、ユーロドルは1.2450台まで上昇しました。しかし発表された米・1月CB消費者信頼感指数が予想よりも良い結果となったことから米長期金利が反発を始めると、ドルも買戻しが優勢となりました。さらにムニューシン米財務長官が「私は強いドルが長期的に米国にとって最大の利益になることを断然支持する」と述べたことからドル買いが強まって、ドル円は108.90円台まで上昇し、ユーロドルは1.2380台まで下落しました。

東京時間にはいって、日銀が国債買い入れオペ(3年~5年債)を前回の3000億円から3300億円に増額したことから一時円売りが強まりました。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは76%で変わらずでした。

今日の予定

今日の海外時間には、FOMCが開催され金融政策が発表されるとともに、イエレンFRB議長が最後となる会見を行います。そのほか独・12月小売売上高指数、独・1月雇用統計、ユーロ圏・1月消費者物価指数(速報値)、ユーロ圏・12月失業率、米・1月ADP民間雇用者数、米・1月シカゴ購買部協会景気指数、米・12月中古住宅販売保留指数の発表が予定されています。

今後の見通し

まもなく東京時間11時からトランプ米大統領が初めての一般教書演説を行います。貿易問題に関して、保護主義的な発言があればドル売りに繋がるとの見方もありますが、このところトランプ米大統領はTPPへの復帰を示唆したり、NAFTA再交渉でも早期の決着か離脱か、という態度を軟化させるなどしていることから、保護主義的な主張が弱まってドル買いが強まる可能性もあります。

ユーロ買いは一旦利食い

月曜日夜に作った1.2350でユーロドルの買い持ちポジションは、一般教書演説、FOMCを前に一旦1.2410で利食いました。再び1.23台半ばまでの押し目があればユーロ買いのポジションを作りたいと考えます。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。