現在新たに契約する魅力は薄いが、「お宝保険」は継続を!
結論から言えば、年金保険も積立型保険も現在新たに契約する魅力は薄いといえます。
その理由は1%という予定利率です。予定利率は保険料の割引率みたいなものですが、仮に60歳から受け取りを開始する年金保険を40歳で契約すると仮定すると20年間の運用を1%という利回りで計算して保険料が算出されることになります。もちろん、保険会社が上手に運用してくれれば、1%以上で運用してくれて、受け取れる年金額が増える可能性はあるのですが、20年後に受け取れる金額を1%の運用でフィックスしてしまうのは、20年満期の定期預金を利率1%にしてしまうようなもので、あまり有利だとは思えません。
一方、20年ぐらい前以前に加入していたような年金保険や終身保険等はぜひ継続してください。平成8年(1996年)でも予定利率は2.75%ですので、現在より相当有利な保険契約になっているはずです。筆者の配偶者の例ですが、死亡保険金額500万円の終身保険(払い込み終了60歳、契約時年齢20歳ぐらい)に30年ぐらい前に加入していました。この終身保険の月額保険料は2,500円ぐらいです。仮に40年保険料を払い込むとすると、2,500円×12か月×40年=120万円です。40年間で120万円払い込むと500万円終身受け取れるという何ともおいしい「お宝保険」契約なのです。
実はこの保険契約には定期保険特約がついていたのですが、特約は10年ごとの見直しで、年齢が上がるごとに保険料が上がるような仕組みになっていたため特約を解約し、終身保険部分だけ残しました。
読者の皆さんも今一度、自分の保険契約を確認してみてください。
どっちが得かという議論はナンセンス
筆者はいつも書かせていただきますが、保険はあくまでも保障を得るためのものであって貯蓄性を追求すべきものではないと思っています。もちろん20年前以前であれば十分貯蓄になりえたわけですが、昨今は残念ながら長期にわたることが多い生命保険契約で貯蓄性を求めることが難しくなっています。
手元資金に余裕がある方であれば、公的年金の補完が不要な方も多いことでしょう。生命保険は受取人を指定することでお金に名前を付けることが可能になり、相続対策になりますが、そのような目的がないのだとしたら、あえて新たに考慮する必要は現時点ではないと思います。