クラウド,アプリ,Google
(画像=Thinkstock/GettyImages)

目次

  1. はじめに
  2. シームレスなソリューションへの需要に対応したクラウドアプリ・マーケット
  3. クラウドサービスが2000億ドル市場に成長する勢い
  4. エンタープライズ・モビリティ事業管理ツールを提供するMobileIron

はじめに

本連載では、Googleの2017年、2018年の動きを振り返っていく。Googleは企業規模が大きく市場に与える影響が大きいことはもちろん、私たちの生活に対して新たな価値観を創出している企業の一つでもある。

検索エンジンや各種ITツールにとどまらず、職業訓練事業、金融、医療、と幅広くビジネスの幅を広げ、各業界の経営戦略にまで影響を及ぼしているのだ。つまり、投資家、ビジネスマンとしてはGoogleの動きを視野に入れないことは得策ではない。

当然ながら検索エンジンでの表示ランクやネット広告は企業の重要な収益源、ビジネスチャンスであるため、その点については最低限注目する必要がある。それ以外にもまずは本連載でGoogleの過去の動きを把握し、今後の動向にも注目するようにしてほしい。

シームレスなソリューションへの需要に対応したクラウドアプリ・マーケット

現在、多くの企業が企業向けアプリの導入で業務の効率化を図ろうとしている。

難点とされているのは、組織内部での連携のために複数のアプリをダウンロードする必要があることや、すべてのソースが信頼できるわけではないことなどだ。

また多くのビジネスが様々なデバイスでアプリを利用しているものの、OSやセキュリティー、所有権が統一されておらず、必要に応じてネットワークやコンピューターの設備といったリソースを提供できるように予測・準備しておく作業(プロビジョニング)が難しくなる。

「もっと簡単かつ安全にアプリを導入したい」という企業の声を受け、動きだしたのがGoogleだ。Google Orbiteraは、クラウド環境でのアプリ売買が簡単に行えるエコシステムの構築を目的とするサービスだが、MobileIronのサービスと組み合わせることで、さらに効率化や安全性の向上を図ることができる。

具体的には「顧客層に応じたサービスの振り分け」「取引市場と顧客に対するへの自社サービス・商品の区別」「デバイス、データ、音声、サードパーティ・クラウドサービスの月々の一括請求」「アクセスの安全性確保」「アプリ利用状況分析」などが可能になる。

GoogleがMobileIronとの提携関係で目指しているのは、企業がビジネス用の総合プラットフォームを容易に素早く構築できる環境の提供だ。新たなソリューションでは、承認を受けた顧客や提携先がアプリへのアクセス、認証、権利付与などを行えるほか、バックエンド・コンピューターやストレージとしてGoogle Cloud Platformを利用できる。

Googleのクラウド型アプリ「G Suite」の強化にも役立ちそうだ。

クラウドサービスが2000億ドル市場に成長する勢い

Google Cloud PlatformはGoogleの中核となるインフラ、データ解析、機械学習を活用したオープンソース・クラウドプラットフォームで、「あらゆる業種に対応した安全・低コスト・多機能なサービス」を売りにしている。任天堂、ANA、コカ・コーラ、Spotify、Snapchatなど大手にも利用されている。

Googleがクラウド市場へのさらなる進撃を狙い、コマース・スタートアップ、Orbiteraを推定1億ドルで買収したたのは2016年のこと。

ガートナーが2018年4月12日に発表した調査結果によると、2017年の公共のクラウドサービスの市場規模は1535億ドルで、2018年には21.4%アップの1864億ドルになると予測されていた。その中でも「SaaS」や「IaaS(Infrastructure as a Service。インフラと開発環境がセットで用意されているサービス)」の需要が最も伸びると期待されていた。 またガートナーが2018年8月1日に発表した調査結果によると、クラウド市場シェアの約半分(51.8%)をAWSが占めており、Microsoft Azure(13.3%)、Google cloud Platform(3.3%)、IBM Softlayer(1.9%)といったライバルIT大手のクラウドサービスを大きく引き離している。

しかし非営利組織クラウド・セキュリティー・アライアンスの2017年データによると、クラウド基盤プラットフォームの市場シェアでは、トップのAWS(41.5%)をMicrosoft Azure(29.4%)が追い上げている。Google Cloud Platform(3.0%)とこの分野でも影が薄く、強力な起爆剤を投じて体制の逆転を狙う必要性に駆られている。

エンタープライズ・モビリティ事業管理ツールを提供するMobileIron