Google税とは

Googleは世界トップクラスのIT企業で、特に検索エンジンは世界中で利用されている。当然収益規模も大きいのだが、その際問題になるのが税金だ。しかしGoogleのような多国籍IT企業となると、申告ルートによって税額が大きく変わってくる。いわゆるタックスヘブンのことだ。

利益を最大化するためには節税対策を行う必要があるが、過剰な節税対策に対しては国も税収確保のために取り締まりを行う。たとえば英国ではGoogle税と呼ばれるものを導入して租税回避を防止している。

Googleの税金は売上の166分の1?「Google税」導入の英国

英国は2015年4月、「Google税」と呼ばれる迂回利益税を導入した。通常「Google税は多国籍IT企業に適用されるもの」と見なされているが、英国政府の定義では多国籍IT企業にかぎらず、英国内で利益を上げているすべての事業が対象となる。

迂回利益税とは、国内での納税額が不自然に少ないと見なした利益に対し、追加税を課すものだ。例えば英国では最高25%(石油企業の迂回利益には最高55%)の税率となっている。

基本的には事業基盤拠点(国内・国外)、運営内容、利益を上げた商品・サービスの形態など一切無関係という、非常に厳格かつ広範囲な徴税システムだ。

例を挙げると英国を含む他国に拠点を持たない日本の企業が、オンラインを利用して直接英国内に商品やサービスを提供しているとする。ここで英国歳入税関庁(HMRC)が「英国内で得た利益の税金を公平に納めていない」と判断すれば、Google税が適用されることになる。

導入の引き金はGoogleが英国で上げた利益の国外流出だ。ガーディアン紙の報道 によると、2013年、Googleは英国で34億ポンド(約5040億円)の売上を得たにも関わらず、税金を2040万ポンド(約30.2億円)しか納めていなかった。売上の166分の1という計算になる。

Googleは英国で上げた利益のほとんどを、タックスヘイブンであるアイルランドに「合法に」移動させていた。「ダブル・アイリッシュ」と呼ばれる租税回避策で、AppleやFacebook、Microsoftなども同じ手段で相当な額を減税している。

印税収入に所得税を追加、オフショア申告義務化など検討