欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が、米GoogleがEU競争法(独占禁止法)に違反したとして、24億2000万ユーロ(約3000億円)の制裁金支払いを命じた。オンライン検索サービスでの特権的な地位を利用し、買い物検索で自社のショッピングサービスを優遇したとされる。新しいインターネットサービスが次々生まれる中、EUは独占禁止法の違反に目を光らせており、IT企業に厳しい姿勢を示している。

独占禁止法違反では過去最高の制裁金 Googleは上訴へ

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(写真=PIXTA)

欧州委員会は米Googleの検索サイトで自社の商品比較サイト「Googleショッピング」を優先して表示させていた事を問題視している。Googleの検索サイトは欧州諸国の大半で9割を超えるシェアを誇るが、その特権的な地位を利用して、競合他社を締め出していたとされる。kutiコミサイトの米イエルプや旅行サイト大手の米トリップアドバイザー、出版大手の米ニューズ・コープなどからの苦情を受け、調査を始め、2015年には異議告知書をグーグルへ送付し、警告を行っていた。

Googleに命じられた制裁金は24億2000万ユーロに上る。欧州委員会による独占禁止法違反に課す制裁金としては、2009年に米インテルに命じられた10億6000万ユーロを大きく上回り、過去最高額となる。90日以内に違反行為を止め、改善計画を示さなければ、更なる追徴金を課す可能性もあるとしている。

Googleは今回の判決は不服であるとしており、EU司法裁判所への上訴を検討している。Googleの持ち株会社である米アルファベットは2017年3月末時点で900億ドル(10兆円)を超す手元資金を抱えており、制裁金の支払いが業績に与える影響は軽微である。しかし、今後の事業展開に大きく関わってくる問題であり、簡単に引く事が出来ない事情がある。法廷での争いに入れば、争いは長期化する可能性もある。

「アンドロイド」、「アドセンス」でも独占禁止法違反の嫌疑

グーグルと欧州委員会の間にある問題はこれだけではない。Googleの提供するスマホ向けOSであるAndroidとオンライン広告「アドセンス」を巡っても、独占禁止法違反の疑いで調査が進められている。

Androidをめぐっては、Googleが端末メーカーに対して、コンテンツ配信サービス「Google Play Store」の利用を標準と定めている点や、「Chrome」などの自社アプリのプリインストールを要請している点が問題となっている。

「アドセンス」については、競合の検索広告の表示を制限している点や、アドセンス広告を最も目につく位置に表示している点を問題視している。

Googleは検索サイトにおいて独占的な地位を築き上げており、欧州委員会は同社の地位を活かしたビジネスモデルが独占禁止法違反にあたると見ている。一方でGoogleは検索サイトという便利なサービスを無償提供する事で、多くの人や企業がその恩恵を受けており、結果的に競争環境の活性化に貢献してきたと反論する。

米国IT企業に厳しい監視の目が向けられている

欧州委員会はIT企業に対する監視の目を強めており、過去にも多くの企業が標的となっている。

2004年には米Microsoftが「Windows」などのOSで独占的な地位を乱用しているとして、制裁を課した。Microsoftの地位乱用にストップを掛けたその判決が、グーグル等による新分野の開拓を促したとされる。また、昨年は米Appleに対して、アイルランドで違法な税優遇があったとし、130億ユーロの追徴課税を命じた。SNSで大きなシェアを占める米Facebookに対しても、WhatsApp買収時に問題があったとして、制裁を課しており、独占禁止法違反を巡る調査も続いている。

欧州委員会の制裁については、米国企業を狙い撃ちにしているとの批判も絶えない。米国のオバマ前大統領もGoogleのケースを例に挙げ、欧州に保護主義が広がっていると批判した。EUと米国の国家間の問題にも発展しかねない勢いである。

今回の案件を含め、これらの事案が独占禁止法違反と見なされれば、Googleのビジネスモデルが根幹から揺らぐ事となる。Googleは4月にロシアでのAndroidをめぐる同様の訴訟で、独占禁止当局と和解しており、欧州委員会との係争の行方にも世界中の注目が集まる。(ZUU online編集部)

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