退職したら時間もできるので、家族との旅行や趣味の再開などを考えている人も多いことでしょう。しかし、そのためにはいくらお金を貯めればよいのでしょうか。

必要金額を把握するうえで、参考になるのが政府や民間機関による統計・アンケート調査です。今回の記事では、そうした調査の結果を見ながら「ゆとりのある老後」に必要な金額の最低ライン・平均ラインを見ていきます。

最低ラインの生活費は22万円程度?

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(写真=oneinchpunch/Shutterstock.com)

厚生年金額や民間のアンケート調査の結果を見る限り、国も生活者も「老後に必要な最低日常生活費」を22万円程度と考えているようです。

まず、厚生労働省の「平成29年度の年金額改定についてお知らせします」という報道関係者向け資料によると、2017年度の厚生年金額は前年比0.1%引き下げで22万1,277円となっています。この年金額は、総務省が毎年発表する「全国消費者物価指数」を基に算出されます。こうした景気動向の指数により、年金額は毎年変化しているのです。

次に、生活者の意識を見てみましょう。公益財団法人の生命保険文化センターが3年に一度実施している「生活保障に関する調査」が参考になります。2016年の調査結果によると、老後の最低日常生活費の回答平均額は22万円です。生活者も、老後を夫婦二人で暮らしていくために、最低22万円の生活費がかかると考えていることがうかがえます。

一方、ゆとりある老後のためにはいくら必要なのでしょうか。「生活保障に関する調査」では、「ゆとりある老後生活費」の平均回答額を34万9,000円としています。最低限の生活費に、約12万9,000円を上乗せすることで、ある程度ゆとりのある老後を送れると考える人が多いようです。

「ゆとり」を振り分ける対象を絞る必要あり

しかし、ゆとりのある老後を送るためには、そのゆとりを振り分ける対象を絞る必要があります。食事も旅行も趣味も……と、すべてにおいてゆとりのある生活を実現できるのは、ごく一部でしょう。なぜなら、体力的にも時間的にも、そして金銭的にもできることが限られてくるからです。

先の「生活保障に関する調査」では、ゆとりのための上乗せ額を何に使っていきたいのか尋ねています。その回答結果を見ると、「旅行やレジャー」がトップで、「身内とのつきあい」「趣味や教養」と続いています。これらすべてを実現できるのが理想ですが、現実的には長期の海外旅行をする体力がない人も増えますし、時間も取れないかもしれません。また、退職までに貯めた資産が少なければ、金銭的にもごく限られた「ゆとり」しかないことになります。

体力的・時間的・金銭的な限界を考慮すると、ゆとりある老後のためにできる行動の種類は自ずと絞られることになるでしょう。もちろん体力を維持するための努力が求められるかもしれませんが、それ以上に「老後に何をしたいのか」をあらかじめ考えておくことをおすすめします。

ゆとりある生活のためのお金の貯め方

ゆとりある生活のためには、退職するまでの期間で計画的に資産形成を行う必要があります。

特に、ゆとりのための1ヵ月の上乗せ額約12万9,000円が課題となります。仮に厚生年金が22万円だとすると、12万9,000円がそのまま自分たちの貯金から持ち出しになる額になってしまうためです。年金に依存するようでは、生活のゆとりが全くなくなってしまいます。厚生年金のもらえない自営業者や個人事業主であれば、なおのこと自助努力が求められます。

自助努力の必要性を踏まえると、貯金だけでは足りないかもしれません。仮に毎月13万円を「ゆとり額」と考えると、年間で156万円、10年間で1,560万円、30年間で実に4,680円もの資産が必要になります。仮に4,000万円を30年間で貯めるとすると、毎月平均で約11万円も貯金しなければなりません。子どもの教育費や税金・保険料などを考慮すると、毎月これほどの貯金が可能な世帯はあまりないのではないでしょうか。

貯金だけでは難しいとなると、やはり資産運用や副収入で補う方法が考えられます。もちろんリスクはありますから、最低限の現金は手元に残しつつ、資産運用によって「お金がお金を生む」という状態を構築するわけです。また、不動産投資が軌道に乗ると家賃収入を手に入れられます。不動産を手放さない限り、家賃収入は毎月得られますから、退職後の収入源としても活用可能です。

資産運用を開始するには、知識と行動が必要です。最近では、積立投資によって毎月数百円からでも運用を開始できます。金融機関や不動産会社の無料セミナー、書籍などを通じて知識を得つつ、無理のない範囲で資産運用を開始することで、収入を増やし「ゆとりのある老後」を目指しましょう。(提供:Incomepress

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