「不動産投資は物件探しで9割決まる」といった言葉を聞いたことがある方も多いかもしれませんが、不動産投資において物件探しは重要な要素といえます。

特に、不動産で重視したいのは建物の立地です。立地の善し悪しは、交通の便や生活インフラのほかに、街の歴史やイメージにも左右されます。立地の良い物件は希少性が高いだけに、資産価値が落ちることが少ないといえるでしょう。今回は「住みたい街ランキング」をもとに、ブランド力の高い地域を見ていきます。

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(写真=PIXTA)

首都圏1位は「吉祥寺」、関西1位は「西宮北口」

住宅・不動産購入をサポートする情報サイト「SUUMO」の2017年調査によると、首都圏の住みたい街ランキングは、「吉祥寺」が昨年1位の「恵比寿」(17年は2位)を上回り、2年ぶりのトップへ返り咲きました。3位は「横浜」で変わらず。3位以下の街では、4位が「目黒」、そして「品川」が過去最高の5位となりました。さらに、「渋谷」も初のトップ10入りを果たしています。一方で、「武蔵小杉」が4位から6位に順位を下げるなど、変動も見られました。

1位の吉祥寺は、もともと衣・食・住・遊のバランスが良く人気エリアだったことに加え、吉祥寺を舞台にしたドラマが放映されるなど、ポジティブなメディア露出が続いたことが背景にあります。

一方、関西では「西宮北口」が、5年連続の1位に。さらに2位も5年連続で「梅田」となっています。3位には、駅周辺の再開発が進む「なんば」がランクインしており、過去最高となりました。西宮北口は、神戸、大阪、宝塚への良好なアクセスに加え、駅直結のショッピングモールが充実するなど、利便性の高さで人気があります。こうして見ると、人気の街は交通至便なだけでなく、衣・食・住・遊の面でも充実しているということが分かります。

歴史に裏打ちされた街のブランド

街のブランド力は、現在のにぎわいや交通事情だけでなく、その歴史にも裏打ちされています。

例えば、首都圏の高級住宅地の代表格といえば「城南」地区です。この場合の「城」とはもちろん、江戸城(現皇居)のこと。主に、世田谷区、目黒区、渋谷区の3区を指します。鉄道で言えば、東急田園都市線、南北線、東急東横線、京王井の頭線、都営浅草線などの沿線です。

東急田園都市線なら三軒茶屋、東京メトロ南北線には白金高輪、京王井の頭線には吉祥寺や久我山、都営浅草線には馬込(山王)というように、各路線それぞれに都内を代表する高級住宅地があります。

江戸時代、このエリアは「城南五山」と呼ばれ、由緒ある有力大名が屋敷を構えたため、そのころから高級住宅地としてブランド化していました。明治維新後には、これら大名屋敷の広大な敷地は華族のお屋敷のほか、大学や役所、大病院などの施設に転用されたため、街の景観やブランド価値を損なうことなく、現在までその人気が続いているのです。

古くからの住宅地は災害に強い

また、古くからの住宅地は災害に強いというメリットもあります。城南五山の高級住宅地の多くは高台に位置しています。江戸時代には、たびたび江戸の街を焼き尽くすレベルの大火事が発生しましたが、高台の住宅地には火の手が迫りにくく、被害を免れました。また、地盤沈下や地震の被害を受けにくいという点にも注目です。

2011年の東日本大震災で、近年埋め立てられたベイエリアの地盤が沈下し、新興住宅地やマンションなどが被害を受けたのとは対照的といえるでしょう。

人の営みを支えてきた街には歴史あり

数々の自然災害を乗り越えて、古くから人の営みを支えてきた街には歴史があります。歴史に裏打ちされた街のブランド力は、時代を超えても変化しにくいものです。不動産物件の立地をチェックするときは、現在の交通機関や買い物スポット、学校、病院などの生活インフラだけでなく、地域の図書館や役所などを訪ねて土地の歴史や地形も併せて見てみると、また違った視点が得られるでしょう。(提供:不動産投資セミナー

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