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生命保険は人生における最大の「金融商品」といってもよいでしょう。ですが、その中身を可視化するには、いくつかの方法を試すのが効果的です。今回はB/S、P/Lを使って、その収支バランスを説明します。


マネーバランスの勧め


最近は株式に投資信託、外国為替証拠金取引など、金融商品を購入する人々が増加しています。実は生命保険も満期保険金や解約返戻金などのリターンを持つ金融商品の一つとして、昔から利用されてきました。

商品の特徴を知って活用するとよいのですが、それにはバランス感覚が欠かせないといえるでしょう。今回はP/L、B/Sを使った保険の特徴の見方を覚えていきましょう。


P /Lをうまく利用する


○黒字か赤字か

財務諸表をご存知の方なら、P/Lとは何か、よくお分かりと思います。これは会社における家計簿であり、P/LとはProfitつまり「利益」、とLoss「損失」を一つにまとめたもので、「損益計算書」と呼ばれます。会社の場合は、一年間の収益、経費はいくらで、利益はいくらか…というのがP/Lですが、これは個人にも当てはめることができます。年収から、住居費、生活費、娯楽、負債などを差し引いて、単年度の収支が出てきます。結果は黒字?それとも赤字でしょうか?

単年度収支を見れば、家を購入した、家族が増えたなどと出費がかさむ人の場合は、赤字が発生することがあります。その場合は、お金を借り入れて対処するかもしれません。赤字の場合、生命保険の「貯蓄分(養老保険、終身保険)」から借りる、という経験をする方もいるでしょう。

○保険は「支出」だけでもあり、「収入」がある場合もある

ここで、疑問なのが「保険は『収入』なのか『支出』なのか」という点ではないでしょうか?月々支払う保険料は、「自分が死んだ場合にリターンがある」のだとすれば、自分が生きている間は『支出』だけです。ですが、「保険から『借り入れる』ケースがある」とすれば、これは「貯蓄」であり、P/Lでは『収入』ということになります。

もし、加入されている生命保険から「借り入れ」ができる保険商品だとすれば、これは「養老保険、年金保険」か「終身保険」のいずれかになります。逆に「借り入れ」ができないとすれば「定期保険」で間違いありません。単年度で保険料が高い理由が「養老保険」や「終身保険」だと分かれば、将来の貯蓄をしていると気づくことができるはずです。

逆に保険料を安く抑えたいなら、貯蓄という「利益」を伴わない「定期保険」だけにすればよいことになります。