昨日の海外時間には、米長期金利とNYダウが大きく反発したことから、リスク回避で買われていた円が売り戻されました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間序盤、下落して寄り付いた欧州株が反発を開始したことからユーロ買いが優勢となって、ユーロドルは1.2430台まで、ユーロ円は135.70円台まで上昇しました。この間米長期金利が上昇したことからドル円も109.30円台まで上昇しました。しかし欧州株の反発が止まると米長期金利も低下し、ユーロドルは1.2390付近までドル円は108.80円台まで、ユーロ円は135.00円台まで反落しました。

NY時間序盤にかけて、米長期金利が再び上昇を始めるとドル買いが優勢となって、ドル円は109.60円台まで上昇し、ユーロドルは1.2310台まで下落しました。この間ユーロ円は134.60円台まで下落したあと135.30円付近まで上昇しています。

NY時間午後にかけて、米長期金利がやや低下してドル売りが優勢となって、ドル円は109.00円台まで下落し、ユーロドルは1.2400台まで上昇しました。この間ユーロ円は一旦134.50円台まで下落したあと、135.60円台まで上昇しています。

NY時間終盤、NYダウが500ドル以上反発し、米長期金利も上昇したことからドル買い、円売りが優勢となって、東京時間にかけてドル円は109.70円台まで、ユーロ円は135.80円台まで上昇し、ユーロ円は1.2370付近まで下落しました。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは66%までやや回復しています。

今日の予定

今日の海外時間には、独・12月鉱工業生産の発表があるほか、カプラン・ダラス連銀総裁、ダドリー・NY連銀総裁、エバンズ・シカゴ連銀総裁の講演が予定されています。また明日早朝にはNZ中銀が政策金利を発表します。

今後の見通し

金曜日から一時訳2400ドル暴落したNYダウが、安値から1100ドル以上反発したことで、市場全体の悲観的なムードは一旦緩和されました。米雇用統計米金利の上昇が懸念されて米株式が下落した、との報道もありますが、今週にはいってからの動きでは、米長期金利と米株価の相関は非常に高くなっています。もっとも株価のボラティリティがあまりにも大きくなっていますので、市場が再び落ち着きを取り戻すにはもう少し時間がかかるかもしれません。ただ、すでに下落分の半分近くまで戻していることから、パニック的な動きはなくなると予想します。

再びユーロ円押し目買い

ここ数日の混乱で、ユーロ円、ポンド円などが大きく崩れましたが、日足ベースのチャートを見ると良い押し目と見ることができます。ユーロ円の上昇基調は継続していると考え、135.00円付近での押し目買いをしたいと思います。損切りラインは、買い値の50銭下とします。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。