2月5~9日の東京株式市場は下値波乱の展開となった。米長期金利の上昇を引き金に米国株が急落した地合いを受けて、日本株も大幅安を余儀なくされた。この週末の日経平均株価は前週末比1891円91銭安の2万1382円62銭となった。

週単位でみると日経平均株価は3週連続の下落、水準的には2017年10月以来の安値まで値下がりしている。引き続き米長期金利の上昇が警戒されるが、実体経済は日米欧ともに堅調と見られ、短期的にどこで底を入れるか気になるところでもある。

ジャスダック「週間出来高」ランキング

レカム,株価
(画像=PIXTA)

それでは、今回はジャスダック市場の「週間出来高」ランキングをみていこう。

(1)レカム <3323> 367円 +1.10% 6143万3200株
(2)カイカ <2315> 63円 -8.70% 5811万2200株
(3)明豊エンタープライズ <8927> 739円 +20.95% 4829万8300株
(4)NEW ART <7638> 29円 -6.45% 4700万9800株
(5)テリロジー <3356> 382円 -4.02% 2898万3400株
(6)ラクオリア創薬 <4579> 3025円 +8.31% 2613万9300株
(7)テクノホライゾン・ホールディングス <6629> 873円 -4.90% 2571万9900株
(8)ニチダイ <6467> 2650円 +47.47% 2491万2200株
(9)ブロードメディア <4347> 80円 -6.98% 1709万8400株
(10)トレイダーズホールディングス <8704> 133円 -9.52% 1495万7700株
※銘柄、証券コード、9日終値、1週間の騰落率、出来高。データはヤフーファイナンスに基づく。

この週は米国株や東証1部の下落を受け、新興株式市場も軟化した。日経ジャスダック平均株価は前週末比338円71銭安の3931円55銭で取引を終了。もっとも、上記ランキングをみると、値下がりが6銘柄に対し、値上がりが4銘柄となっている。全体相場が下げている状況でも出来高の増加を伴いながら上昇している銘柄も見られ、個別銘柄を物色する動きは引き続き根強いようだ。

レカム、光通信との提携、中国子会社の上場期待で人気化

さて、今回は上記ランキングからレカム、明豊エンタープライズ、テリロジーを取りあげる。

レカムは電話やデジタル複合機、LED照明などの機器販売と、企業から事務作業を受託するビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)を手掛ける情報通信業者。海外では中国で事業基盤を拡大しているほか、ミャンマーやベトナム、マレーシアにも進出している。

レカムの株価は昨年12月中旬に動意付き、商いも活況を呈した。背景には光通信との提携に加え、中国子会社・大連レカムの株式上場への期待などがある。

レカムは、光通信とLED照明や業務用エアコンの販売を共同で進めることを決定。光通信系のアイ・イーグループから、LED照明などの環境関連事業を切り出し「IEエコ」を新設。同社株式の51%を約5億円で取得し、連結子会社化している。

明豊エンタープライズ、業績向上期待で株価上昇

明豊エンタープライズは不動産会社。1968年の設立で、不動産の分譲、賃貸、仲介の各事業を手掛けている。

明豊エンタープライズ株は1月中旬から動意付いた。連結子会社の棚卸し資産だった京都市の開発用地の売却や、千葉県市川市の賃貸アパート用地取得などのリリース公表後に、株価も上昇している。

ちなみに、2018年7月期の連結業績予想は、売上高が前期比約2倍の150億円、営業利益が約3.2倍の21億7000万円、純利益が約2.4倍の18億円が見込まれている。

テリロジー、相次ぐ業務提携を好感

テリロジーは、ネットワーク製品の輸入販売を手掛けるIT企業。IT関連サービスとセキュリティーの売上比率が高い。

2月2日、同社はカイカやフィスコ仮想通貨取引所との提携に関するプレスリリースを発表した。カイカとの提携では、より高度なセキュリティー対策を実現する仮想通貨関連のセキュリティー商品の共同開発を行うことで合意した。なお、カイカはテリロジーと関係を強化するため、テリロジーの発行済み株式の4.9%を市場外の相対取引で取得している。一方、フィスコ仮想通貨取引所との提携では、同社が運営する取引所のセキュリティー強化に関する契約に合意した。

市場は同社の相次ぐ業務提携を好感、テリロジー株は昨年来高値を一時更新している。(ZUU online 編集部)