株式投資と聞くと少し取っ付きにくい印象を持つ人も多いだろうが、お中元のように企業から食べ物の詰め合わせや、割引券が送られてくるとなると興味がひかれるのではないだろうか。これと似た仕組みなのが株主優待だ。

そもそも株主優待とは企業が、投資をした株主に対して、お礼も兼ねて各種サービスや品物を贈ってくれる仕組みである。得することが多いので個人投資家が集まりやすく、企業も株主優待に力を入れているようだ。

そこで今回は、株主優待を行っている企業の中から最低投資金額20万円から30万円未満の銘柄を紹介する(株価は2018年2月7日終値時点)。

「使いやすいクオカードを2,000円以上」――ツツミ

株主優待,3月
(画像=rSnapshotPhotos / Shutterstock.com)

埼玉県に本社を置く東証1部企業ツツミ <7937> は、宝飾品や貴金属をメーンに事業を展開している企業だ。首都圏を中心に事業を展開しており、貴金属事業ではトップクラスである。

こちらの株主優待は、お金の代わりになるクオカードが2,000円ほどもらえる。さらに3年を超えて株を保有していると3,000円、5年以上だと5,000円と、もらえるクオカードの金額が増えていく仕組みだ。

【株価】2,033円
【単元株数】100株
【最低投資金額】20万3,300円
【優待内容】クオカードを進呈(3年未満で2,000円相当、3年以上継続保有で3,000円相当、5年以上継続保有で5,000円相当)
【権利確定月】3月末日・9月末日
【優待利回り】1.48%

「スーパービバホームなどが近くにあるなら」――LIXILビバ

こちらも東証1部上場をしているLIXILビバ <3564> は、名前のとおり建築材料や住宅設備機器業をしているLIXILの子会社でもある。その親会社のノウハウを使って、家庭用品やインテリア用品などの総合小売業を事業の中心としている。

LIXILビバ は、2018年3月末時点から株主優待をスタートさせる予定だ。株主優待制度の目的について、公式文章LIXILビバ株主優待制度の新設に関するお知らせにおいて、「株主の皆様の日頃からのご支援に感謝するとともに、当社事業をご理解いただき、より多くの皆様に当社株式を中長期的に保有していただくことを目的に、株主優待制度を導入いたします」と述べている。

そのLIXILビバの株主優待は、自社が経営しているスーパービバホーム、ビバホーム、ヴィシーズ、ハウスデコでの店舗で、使える割引券がもらえる。もし利用できる範囲に店舗があるのなら、株主優待を受けるメリットがあるので検討してみてはいかがだろうか。

【株価】2,033円
【単元株数】100株
【最低投資金額】20万3,300円
【優待内容】株主優待割引券を贈呈(スーパービバホーム、ビバホーム、ヴィシーズ、ハウスデコの各店舗で利用可能で、100株以上で5枚、500株以上 で10枚、1,000株以上で20枚)
【権利確定月】3月末日
【優待利回り】2.02%

「投資額が増えればグルメギフトがもらえる」――石原ケミカル

石原ケミカル <4462> は、機器の表面にコーティングする液などを研究開発するメーカーだ。ここ最近有機EL製造装置の部品などのメッキ液が売れていて、好調をキープしている。品質構成を改善しつつ、業績を伸ばしている注目の企業である。

難しいことに挑戦している石原ケミカルも、株主優待をしている。100株以上株を購入すると全国で使える便利なクオカードを、1,000円分用意してある。さらに1,000株以上購入するならグルメギフト券を1万円分ももらえるので、余裕があるならたくさん株を購入するといいだろう。

【株価】2,029円
【単元株数】100株
【最低投資金額】20万2,900円
【優待内容】100株以上でクオカードを進呈(3月末なら1,000円分、9月末なら1,000円分)、500株以上で3月末ならグルメギフトを3,000円相当進呈、9月末ならクオカードを2,000円分進呈、1,000株以上3月末ならグルメギフトを10,000円相当進呈・9月末ならクオカードを3,000円分進呈)
【権利確定月】3月末日・9月末日
【優待利回り】1.58%

「保有株数が多いとクオカードもたくさん」――共英製鋼

関西では有名な電炉大手である共英鉄鋼 <5440> は、鉄鋼製品などを手掛けている。これから始める東京オリンピックがあることから、鉄鋼メーカーは需要が増えて忙しいはずだが、原料価格が高騰していることで、採算がとれていない様子だ。しかし共英製鋼は順調に業績を伸ばしており、信頼できる企業といえる。

株主優待の内容をみてみると、株主のことをしっかり考えて、使いやすいクオカードを用意している。1年未満しか株を保有してなくても100株なら1,000円分、1,000株なら2,000円分ももらえる。

【株価】2,021円
【単元株数】100株
【最低投資金額】20万2,100円
【優待内容】クオカードを進呈(100株以上で1年未満なら1,000円分、1年以上継続保有なら2,000円分、1,000株以上で1年未満なら2,000円分、1年以上なら3,000円分相当)
【権利確定月】3月末日
【優待利回り】1.98%

「ホテルに泊まれる優待券」――新潟交通

観光をするときに利用するバス関連の企業も、株主優待を用意している。新潟交通 <9017> もバスを運用している企業だが、新潟でも最大といっていいほどの規模だ。

新潟交通は国内では珍しい、連結バスも走らせている。通常の路線バスと比較しても1.8倍もあるので乗車しても居所には困らず、乗客にはうれしいバスだ。それほど新潟交通は顧客の事を考えている企業と思っていいだろう。

株主優待の内容としても気になるものを新潟交通は厳選している。100株以上購入している株主には、ホテルの優待券5,000円をもらえる。さらに900株以上なら、新潟市内線、新潟郊外線、佐渡線で乗ることができる株主優待乗車証も付いてくる。

【株価】2,019円
【単元株数】100株
【最低投資金額】20万1,900円
【優待内容】100株以上で一律 「万代シルバーホテル」「国際佐渡観光ホテル」共通の、優待券5,000円分を進呈。900株以上で3路線のうち希望の1路線パス、1,300株以上で3路線のうち希望の2路線パス、1,600株以上で全路線パス、ただし定期観光、都市間急行(県外)、および高速バスを除く。
【権利確定月】3月末日

「使える場所が多く便利なクオカード」――大阪製鐵

大阪製鐵 <5449> は鉄スクラップを使って鉄鋼製品を作るメーカーだ。名前のとおり関西に拠点があるが、熊本にも工場がある。鉄鋼以外にもエレベーター用のレールもシェアが高く、現在は安定した業績を出しているのが、この企業の特徴といえる。

その大阪製鐵の株主優待は、全国でも使えるクオカードを用意してある。企業の業績や株主優待の内容から、とにかく堅実な人なら大阪製鐵の株を持っておけばいいだろう。

【株価】2,002円
【単元株数】100株
【最低投資金額】20万200円
【優待内容】クオカードを進呈(100株以上で1,000円相当、1,000株以上で2,000円相当)
【権利確定月】3月末日
【優待利回り】1.62%

「チキン好きなら」――日本KFCホールディングス

名前を見てわかるとおり、ケンタッキーフライドチキンを運営しているのが、日本KFCホールディングス <9873> だ。意外かもしれないが、宅配ピザのピザハットも同企業が運営している。飲食業界では切っても切れない存在だ。

株主優待では、人気の高いケンタッキーフライドチキンなどで使える、商品券がもらえる。持ち株が多ければその額も増えるので、チキンが好きなら目を通しておくといいだろう。

【株価】2,002円
【単元株数】100株
【最低投資金額】20万200円
【優待内容】ケンタッキーフライドチキンで利用可能な商品券を進呈(100株以上で500円、300株以上で1,500円、500株以上 で2,500円、1,000株以上で5,000円分相当)
【権利確定月】3月末日・9月末日
【優待利回り】2.5%

「乾物椎茸や海苔などの食品がもらえる」――トーカン

トーカン <7648> は東海地方でも有名な企業のひとつである。主に食品卸をしているのだが、取引先が大手コンビニチェーンであるファミリーマートだ。厳密にいえば、ユニー・ファミリーマートホールディングス <8028> である。

食品卸というだけあって株主優待も、その特徴があふれ出ている内容となっている。500株以上なら、取扱いの主軸となっている乾物椎茸や海苔を中心に、自社グループの商品がもらえる。100株からでも株主優待が受けられるが、全国で使えるクオカード500円分からとなっている。

【株価】2,000円
【単元株数】100株
【最低投資金額】20万円
【優待内容】クオカード又は、自社グループ商品を進呈(100株以上で3月末ならクオカード500円分、9月末ならクオカード500円分、500株以上で3月末ならクオカード1,000円分、9月末なら自社グループ商品2,000円分、1,000株以上で3月末なら自社グループ商品2,000円分、9月末なら自社グループ商品3,000円分)
【権利確定月】3月末日・9月末日
【優待利回り】1.5%

「家電製品が安く手に入る優待」――アサヒホールディングス

貴金属のリサイクル事業や、産業廃棄物の処理をしている企業がアサヒホールディングス <5857> だ。自然環境がよくないといわれているが、アサヒホールディングスは、そのような環境をよくする事業を展開して業績を伸ばしている。その影響は東京オリンピックが控えていることも原因だろう。

株主優待は、自社グループ会社のものをもらえる内容となっているが、少しわかりづらいだろう。じつはアサヒホールディングスは、家電を扱う事業をしているグループ会社がある。100株以上持っていると、その会社から家電やマッサージ機などが安く手に入るわけだ。

【株価】2,000円
【単元株数】100株
【最低投資金額】20万円
【優待内容】100株以上で株主様専用サイトより、自社グループ会社の製品を優待価格で購入可能
【権利確定月】3月末日
【優待利回り】3.15%

(ZUU online編集部)