昨日の海外時間には、米長期金利が低下する中、各国株価が下落してドル円は昨年9月以来の107円台半ばまで下落しました。
今後の見通し
NYダウは、日経平均などの下落を受けて、一時前日比約180ドル安まで下落しましたが、終盤に上昇を始め結局は39ドル高で引けました。前日の高値を更新しなかったとは言え、先週の暴落以来はじめて3連騰となりました。またVIX指数は小幅に低下して25付近の動きとなっています。市場全体は落ち着きを取戻し始めた様子ですが、日経平均が先週の下落以降の安値付近に沈んでいることもあって円相場は底堅く(ドル円、クロス円の上値が重い)なっています。NYダウなどとの相関が弱まっている日経平均が反発するには、日銀などの何らかのアクションが必要となっているのかもしれません。日経平均がこのまま先週の火曜日の安値を割り込むようなら、ドル円相場も昨年9月の安値を下回って105円台を試す可能性が高いと考えられます。
ドル円のショート
したがって108円台乗せに損切りラインを設定して107.70円付近での戻り売りをしたいと思います。
昨日の市場動向
欧州時間、序盤から日経平均先物が下落し米長期金利が低下したことから円買いが強まって、ドル円は107.50円台まで、ユーロ円は132.50円台まで下落しました。日経平均先物と米長期金利が下げ止まると円買いも収まりました。その後全般的なドル売りが強まるとユーロドルは1.2350台まで、ユーロ円も132.90円付近まで上昇しました。この間ドル円は107.40円台まで下落幅を拡大しましたが、その後はもみ合いとなりました。
NY時間にはいっても各国株価と米長期金利が反発すると、ユーロ買いが優勢となって、ユーロドルは1.2370台まで、ユーロ円は132.20円台まで上昇しました。この間ドル円は107.80円台までやや反発しました。
FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは78%で変わらずです。
今日の予定
今日の海外時間には、独・1月消費者物価指数(確報値)、独・第4四半期GDP、ユーロ圏・第4四半期GDP(改定値)、ユーロ圏・12月鉱工業生産、米・1月小売売上高、米・1月消費者物価指数の発表があるほか、バイトマン・独連銀総裁、メルシュ・ECB専務理事の講演が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。