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(写真=PIXTA)

神奈川出身の有名人というと、元巨人軍監督の原辰徳氏、ミュージシャンの桑田佳祐氏、なんてったってアイドルの小泉今日子氏など、枚挙にいとまがないほどです。今回は、その中から芸術分野で世に名を残している有名人についてご紹介していきましょう。

万博のシンボルで有名な芸術家や有名建造物の建築家も

神奈川出身の芸術家として忘れてはいけないのが、日本万国博覧会のシンボル「太陽の塔」の作者として有名な川崎市名誉市民・岡本太郎氏です。岡本氏は、1911年に漫画家の父と歌人・小説家の母の長男として、旧・橘樹郡高津村(現・川崎市高津区二子)で誕生。20歳の時にパリ大学で美学を受講した後は、日本内外の美術展に数多く出品するなど活躍を見せました。

岡本氏の生誕地であり名誉市民としても選ばれた川崎市に建設されたのは、1,700点以上もの主要作品を所蔵する「川崎市岡本太郎美術館」です。1999年10月に開館して以来、毎年岡本氏にまつわる展覧会を開催しています。

神奈川を代表する建築家としては、隈研吾氏と原広司氏の2名が挙げられます。新国立競技場をデザインしたことでも有名な隈氏は、横浜市生まれの建築士です。これまでに、三浦郡葉山町のゲストハウス「森/スラット」や、小田原市城山にある複合ビル「Green Cast」などの作品を手がけました。川崎市生まれの原氏は、神奈川県内の「粟津邸」「相鉄ギャラリー」「国民宿舎丹沢ホーム」を設計。「梅田スカイビル」で空中庭園を実現した建築家でもあります。

神奈川にゆかりのある物書きも複数

「幸福な遊戯」でデビュー、「八日目の蝉」「紙の月」などメディア化した小説も多く刊行している作家の角田光代氏は神奈川出身で、小・中・高と県内の学校に通っていました。2017年には母校である捜真小学校で講演を行っています。

「魔獣狩り」をはじめ「餓狼伝」「陰陽師」など人気シリーズの作者・夢枕獏氏は小田原市生まれです。昔から山が好きで、初めて登った山は自宅から望む箱根だったのだそう。映画祭やサイン会など、神奈川で開催されたイベントにも多く出演しました。

北方謙三氏はハードボイルド小説「ブラディ・ドール」シリーズや歴史小説「大水滸伝」シリーズを執筆した人気作家です。生まれは佐賀ですが、小学生のころに川崎市中原区へ引っ越してきました。2012年に「警察に期待するもの」をテーマに中原警察署で講演を行った北方氏は、2016年、神奈川の文化振興に寄与したとして神奈川文化賞を授与されています。

望月峯太郎のペンネーム時代に「ドラゴンヘッド」「バタアシ金魚」などを手がけた望月ミネタロウ氏、「闇のパープル・アイ」「天は赤い河のほとり」の2作で小学館漫画賞を受賞した篠原千絵氏の2名の漫画家も神奈川生まれです。神奈川は、全国的な知名度を誇る作家や漫画家も多く輩出している県といえるでしょう。

“日本人初”をいくつも成し遂げた宇宙飛行士

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(写真=PIXTA)

近年、日本人宇宙飛行士の活躍が注目されていますが、茅ヶ崎市は2名の宇宙飛行士を輩出した地です。 1人目は、1997年11月の打ち上げミッションにて、日本人で初めて船外活動を行った土井隆雄氏。2008年3月には2度目の打ち上げミッションに参加し、スペースシャトルと国際宇宙ステーション(ISS)間における物資移送の責任者・ロードマスターとして任務を果たしました。地球帰還後の2009年から2016年までは、国際連合宇宙部宇宙応用課長や国連宇宙応用専門官に就任しており、同年4月には京都大学・宇宙総合学研究ユニットの特定教授に着任しています。土井氏は東京出身ですが、学生時代は茅ヶ崎の実家で生活していました。

2人目の野口聡一氏は、生まれは横浜で浜須賀小・中学校と茅ヶ崎北陵高等学校の卒業者です。2005年のミッションではISSにおける船外活動を務め、2009年12月から2010年6月までの長期宇宙滞在ミッションにおいては、ソユーズ宇宙船にて船長を補佐するレフトシーターを担当しました。どちらも日本人初の活躍で、当時大きな話題を呼びました。また2017年11月には、2019年末からのおよそ半年間にわたる3度目の宇宙滞在が決定しています。

土井氏は2008年6月に、野口氏は2005年8月にそれぞれ茅ヶ崎市民栄誉賞を受賞しました。2017年8月に茅ヶ崎市役所で開催された「第9回宇宙飛行士ゆかりのまちサミット」には野口氏の父親が登壇して、野口氏が子どものころに抱いた夢や遊びにまつわる話などを語り、多くの人の関心を集めたようです。

これまで神奈川は、日本内外から宇宙に至るまでさまざまな分野で活躍する有名人を多く生んできました。さらにどんな活躍をするのか、またこれからどんな新たな逸材が生まれるのか楽しみです。(提供:JIMOTOZINE)