超低金利が続く中、ただ銀行に預けているだけではお金は一向に増えません。そのため「今年こそ銀行預金から抜け出して投資を始めたい!」と考えている人も多いのではないでしょうか。そこで投資デビューに向けて勉強しようと投資関連の書籍やウェブの記事を読むと、「余裕資金の範囲内で」や「自分のリスク許容度や方針に合わせて」といったキーワードが必ず出てくるでしょう。しかし、それらがどのようなことを意味しているのか分からないという人のために、今回は投資の基本を解説していきます。
ポイント1:投資資金は今すぐ使う予定のない余裕資金で
そもそも投資は、金融商品の売買や保有中に得られる配当などで収益をあげることを目的としています。投資対象となる金融商品には、株式や投資信託を始め、FX、債券などさまざまな種類があります。どんな金融商品に投資をしようとも、まず意識しなくてはいけないのが、投資対象には値動きがあり、投資しているお金が増えることもあれば、一時的に減ることもあるということです。
そのため、来年使う予定のあるお金を投資に回すと、実際に使う時には、お金が目減りしていることもあり得ます。ですから、来年使う旅行資金、3年後にマイホームを購入する時の頭金、5年後の子どもの学校の入学金といった、比較的近い時期に必要になるお金は、投資に回すのではなく、元本が保証されている銀行預金などで保有する方が安心です。
逆に、当分使う予定がないお金、あるいは老後資金として利用したいと思っているお金は、長期間、投資に回すことができます。そういったお金こそ、銀行預金に眠らせておくのではなく、投資して、将来のための資産形成に役立てましょう。
ポイント2:自分の投資スパンを決める
自分がどの程度の期間で投資をしたいのかという、投資スパンを決めることも大切です。投資の成果をいつ、どのようなタイミングで、どのくらい得たいか、という点をはっきりさせておくことが投資スパンを決める前提となります。
株価や為替などの投資対象の値動きを常時チェックして、数日、あるいは1週間でリターンを得ていきたいなら短期売買向きです。これから大きく値上がりしそうな投資対象を見つけ、2~3ヵ月、あるいは1~2年でリターンを得たいというなら、中期売買のスタンスが向いています。仕事や家事などで忙しく、頻繁に投資情報をチェックするのはむずかしい、あるいは将来のためにじっくり投資をしていきたいという人は長期投資がいいでしょう。
ポイント3:自分がどの程度の損失に耐えられるか考える
自分がどの程度まで損失を許容できるのか(いわゆるリスク許容度)を考えることも重要です。例えば、日本株と日本国債であれば、値動きの幅が大きく異なります。日本国債と比較して、日本株の値動きは大きく、大きなリターンが期待できる一方で、大きな損失の可能性もあります。値動きが大きいということは、リスクが大きいということです。大きなリターンは期待せず、できるだけ損失の幅を抑えて投資したいと考えるのであれば、債券などのリスクの小さな投資対象を選択するのがいいでしょうし、損失の幅をある程度許容でき、大きなリターンを期待するのであれば、株式など比較的リスクの大きな投資対象が投資候補として考えられます。
ポイント4:自分の管理可能な範囲で投資する
投資の勉強のために、少額でさまざまな投資対象に挑戦してみるのも悪いことではありませんが、そのままあれもこれもと確たる基準もなく投資を続けるのはNGです。例えば、A証券では株式投資で5銘柄保有、B証券ではFXに投資、C証券では外国株式と投資信託5銘柄に投資、さらにD銀行で投資信託積み立てを5銘柄……このように、商品も金融機関も分散してしまうと、自分でも管理できなくなります。目が行き届かず、気付いた時には大きく損失を被っていた、ということにもなりかねません。
投資を始めると、経済ニュースなどに出てくる新たな金融商品の情報に敏感になります。そこで「儲かりそう」と、自分の投資方針を無視して無闇に新しい投資対象に飛びつくのはヤケドのもとです。冷静になる時間をもち、自分の投資方針を再考しましょう。特に投資初心者は、ポイント2~4を守って、事前に決めた方針から大きく外れるような投資はやめておくのが賢明です。
ポイント5:投資はライフプランを意識し、長期の資産形成を
投資はお金を増やすためにするわけですが、増やしたお金には何か使う目的があるはずです。マイホームの購入、子どもの進学や就職、定年の時期など、自分や家族のライフプランを考えながら、預貯金と投資を上手に使い分けて、長期的な資産形成を実現していきましょう。
以上、5つに分けて投資デビューの時に心がけておきたいポイントを紹介しました。投資をする際には事前にある程度勉強しておくことや、自分なりの投資のルールを決めておくことは誰にとっても大切なことです。これらの基本事項をおさえながら、自分にとってのベストな投資方法を見つけていきましょう。(提供:マネーLife Style)
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