2017年12月18日に東京都福祉保健局が発表した調査によると「都内におけるスギ花粉症有病率は48.8%と推定される」と発表されている。日常生活に支障がない軽症の方も含んだ有病率だそうだが、仮に全国でも同じような調査結果だったとすると、国民の2人に1人近くが花粉症に悩まされている計算だ。

花粉症の経済損失は数千億円にも達すると言われる。それだけ花粉症対策は大きな市場規模であるとも言える。花粉症対策に関連する株式銘柄を見ていこう。

花粉症,関連銘柄
(画像=PIXTA)

内服薬関連

鳥居薬品 <4551> の舌下減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬「シダトレン®・スギ花粉舌下液」は、14年10月から販売を開始しており、国内で初めて承認された舌下に投与する薬だ。花粉症の治療といえば、今まで抗ヒスタミン薬を飲むのが一般的だったが、これはアレルギー症状を抑える対症療法に過ぎない。一方、この「シダトレン®」は、体内に時間をかけて微量の抗体を取り込ませ、症状の軽減・寛解を目指す。つまり「花粉症を根本から治す」ための治療薬だ。

人気グループ嵐の大野智さんのCMでおなじみの久光製薬<4530>が出す「アレグラ®」は、フェキソフェナジン塩酸塩を主成分に、眠くなりにくく、一日2回の服用で効果が出るというコンセプトで売り出している。

マスク関連

ダイワボウ <3107> が開発・提供している「アレルキャッチャー® マスク」は、抗アレルギーだけでなく、消臭効果や抗菌防臭効果の3つ機能が評価され、花粉症対策だけでなく、インフルエンザやPM2.5向けでも効果発揮が期待されている。この技術はマスクだけでなく、寝具やエアコン・掃除機のフィルターにも使われている。

日清紡HD <3105> は、「ガイアコット」というTi(チタン)、Ag(銀)、Zn(亜鉛)各々のイオンの持つ抗菌性・消臭性能を活用して繊維に定着させ、プラスの電子を持つ金属イオンにマイナスの電子を持つウイルス花粉アレルゲン等を吸着させ、抑制・不活化させるシステムのマスクを開発、提供している。

ユニチャーム <8113> の製造・販売する薬局でもおなじみの立体型「超立体マスク®」は、三層構造の高密度フィルター、ノーズフィット搭載の超立体構造、保湿効果もある口元空間が特徴。また、「超快適マスク®」シリーズは本物シルク配合のマスクで、ごわごわしないかけ心地と耳にかける部分の痛さ軽減が特徴だ。

衣料品関連

スーツ販売のはるやま商事(岡山市北区表町)の親会社である、はるやまホールディングス <7416>は、アレルギー対策として、花粉などを分解して水に変える触媒の一種「ハイドロ銀チタン」を使った紳士スーツを発売している。同社が力を入れる健康分野のメインとなる新商品で、職場や家庭内に飛散させる2次被害も防げるそうだ。花粉を水に分解するといっても、ナノレベルでの話であり、水滴1滴にも満たないくらいの水に分解するので、スーツが濡れてしまうという心配は不要だ。

症状軽減関連

ユニークなネーミングで消費者の心をつかむ小林製薬 <4967> は、目の花粉症対策向けの洗眼液「アイボン®」や鼻洗浄液「ハナノアα®」、保温効果を重視した「のどぬ~るぬれマスク」などを手掛けている。目や鼻を直接治療したい層にリーチする商品構成だ。点眼薬の老舗のロート <4527> は、花粉対策のスタンダードな目薬として定着している「アルガード®」ブランドをはじめ、花粉症の低年齢化に対応し「アルガード® こどもクリア」も商品ラインナップに加える。ソフトサンティアなど医家向け商品が強い参天薬 <4536> は、花粉による目のかゆみ・充血を抑える抗ヒスタミン点眼薬「サンテアルフリー®」を販売している。

空気清浄器関連

生活空間の空気そのものをきれいにしよう、というコンセプトの空気清浄器関連では、シャープ <6753> の独自技術のプラズマクラスター(プラズマ放電によりイオンを作り空中へ放出。さらに浮遊カビ菌を空中で除去し、浮遊ウイルスの作用を抑える)を生かした加湿空気清浄器が、家庭用だけでなく車載用エアコンへの導入などもあり、好調な推移をみせている。

空調メーカー大手のダイキン <6367> は、温度をあげなくても加湿をすることで快適な適温を得られる「無給水加湿」の独自機種を開発している。

中村伸一
マネーデザイン代表取締役社長。学習院大学卒業後、KPMG、スタンダードチャータード銀行、日興シティグループ証券、メリルリンチ証券など外資系金融機関で勤務後、2014年独立し、FP会社を設立。不動産、生命保険、資産運用(IFA)を中心に個人、法人顧客に対し事業展開、またマネーに関する情報を積極的に発信。