2018年1月から「つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」がスタートしたのを機に、これまで「NISA」で投資をしていた人の中にも、つみたてNISAへの切り替えを検討する人もいることでしょう。そこで、NISAとつみたてNISAの違い、知っておきたいポイントを紹介します。
NISAとつみたてNISAの違いとは?
2014年1月にNISAが、そして2018年1月につみたてNISAがスタートしました。この両方に共通する大きなメリットは、なんといっても「利益に対して税金がかからない」という点です。通常、金融商品に投資をすると配当金や売却時に発生した利益には約20%の税金がかかりますが、これが非課税になるため、利益をまるまる獲得できるのです。
NISAとつみたてNISAで大きく違うのが投資枠の上限と非課税期間です。NISAでは、投資枠の1年間の上限が120万円、非課税期間は5年間なのに対し、つみたてNISAでは、投資枠の1年間の上限が40万円、非課税期間は20年間です。
また、利用できる商品も違います。つみたてNISAで購入できるのは、金融庁の厳しい条件をクリアした投資信託とETF(上場投資信託)のみで、NISAに比べて対象の商品数が絞られています(2018年2月2日時点で約140本)。一方、NISAでは外国株式を含む株式全般、投資信託など幅広い商品に投資できます。
注意点としては、同じ年にNISAとつみたてNISAの2つを同時に併用することはできず、どちらか一方を選ばなくてはならないことです。金融機関に届出することで毎年変更することも可能です。
つみたてNISAは、投資信託を長期に積み立てていくことで、ドルコスト平均法による時間分散効果や複利効果のメリットを享受するのが狙いの1つです。しかし、短期間でつみたてNISAからNISAに変更してしまうと、せっかくの積立投資の効果が薄れてしまうことになるので、つみたてNISAからNISAへの変更は熟考したほうがいいでしょう。
どちらを選べばいい?選ぶときのポイント
NISAとつみたてNISA、どちらを選べばいいのか迷った場合は、これから挙げる2パターンのどちらが比較的あてはまるかで判断しましょう。
短い期間で大きく増やしたい、投資資金が年40万円以上ある、株価情報をこまめにチェックできるといった人はNISA向きです。NISAは年間の非課税額が120万円に設定され、株式や投資信託、ETF、REIT(不動産投資信託)といった幅広い商品から投資先を選ぶことが可能です。よって投資できる資金に余裕があり、短い期間で大きなリターンを目指す人、より多くの商品の中から投資先を選択したい人は、柔軟な資産運用が可能なNISAが向いています。
一方で、老後資金を長い目でコツコツと貯めたい、投資情報をマメにチェックせずに放ったらかしにできる方がいい、毎月の投資額は3万円程度かそれ以下がよいという人は、つみたてNISA向きです。こちらは非課税投資枠が年間40万円なので、12カ月で割ると毎月約3万3,000円が投資の上限になります。また、つみたてNISAの非課税期間は20年間あるので、少額でコツコツと長期にわたって投資を行いたい人に向いています。
NISAはたくさんの商品から選べるのがメリットである一方で、投資初心者にはその幅広さが難しさになることもあります。その点、つみたてNISAは投資できる商品が厳選されているので、投資初心者にも向いています。
NISAとつみたてNISA 自分にあったものを選択しよう
NISAとつみたてNISAの違いやポイントがお分かりいただけたでしょうか。どちらも非課税のメリットが大きく魅力的な制度ですが、前述のとおりこの2つは併用できません。1年に1度の切り替えが可能とはいえ、積立投資は長期で続けていかないと十分なメリットを享受できません。そういった点も加味しながら、どちらを選ぶかを検討しましょう。 (提供:マネーLife Style)
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