高画質の「4K」や「8K」に対応した衛星放送が、今年本格的にスタートする。既に4K対応の液晶テレビの普及は進み、昨年にはよりグレードの高い8Kテレビも登場した。今後もシャープ(6753)など家電各社が最新製品を投入する中、関連銘柄への関心が高まりそうだ。

株式新聞,4K・8K時代
(画像=PIXTA)

4Kは現行のデジタルハイビジョン(2K)の画素数の4倍、8Kは16倍の解像度を持つ。テレビ画面が大型化する一方で問題となっていた画質の低下(画素数の低密度化)を防ぎ、きれいな映像を楽しめる。現在試験放送をしているNHKや一部を除く民放系各社のBSが、12月に実用放送に切り替える。

テレビをめぐっては、家電エコポイントが導入された2010~11年ごろに特需的に買われた製品の耐用年数に差し掛かった。4K・8K時代の幕開けは更新需要を後押ししている。調査会社GfKジャパンによれば、昨年の4K対応テレビの販売台数は前年比約1.5倍の155万台まで拡大。全体に占める割合について、一般社団法人・電子情報技術産業協会では20年には7割(台数換算で740万台)に達すると予想している。

関連銘柄では、タムラ製作所(6768)が注目される。4Kや8Kは画質の高さはもちろん、臨場感を再現するために高音質の音響システムが採用される。タムラ製は放送局向けのデジタル音声調整装置(音声卓)の国内最大手。豊富な納入実績を持ち、NHKと共同で4K・8K対応の音声卓を開発済みだ。株価は全般相場の下落に伴う調整を挟み、足元では下値を切り上げつつある。

ドンキホーテホールディングス(7532)は、4K対応の格安テレビを発売。EIZO(6737)も4K対応ディスプレーを取り扱う。このほか、平河ヒューテック(5821)は8Kテレビ向けの同軸ケーブルを手掛ける。また、テロップ表示システムでコア(2359)、8K向けの高速映像伝送技術を持つザインエレクトロニクス(6769・JQ)、ルーデン・ホールディングス(1400・JQ)あたりも押さえたい。

4月4日には、見本市の「4K・8K機材展」(東京ビッグサイト、東京・江東区)も始まる。ここから浮上する有力銘柄の一つがピクセラ(6731・(2))だ。同社は受信装置などを手掛け、4K・8K衛星放送に対応した新製品などを投入する。業績面では厳しさも残るが、値動きの軽さを重視して短期で狙いたい。

このほか、クボテック(7709)は4K映像を高品質・低コストで送信できる画像伝送装置を出展。このほかPALTEK(7587・(2))やカナレ電気(5819)も関心を集めそうだ。(3月16日株式新聞掲載記事)

>>話題のテーマや注目株を一足早くお届け「株式新聞WEB」限定プレミアム銘柄も

【関連株式ニュース株式新聞へ】
富士通コンが急落、18年3月期の連結業績予想を下方修正
高見サイが反落、18年3月期の連結業績予想を下方修正
バロックが急騰しストップ高、19年1月期の大幅増益見通しを好感
MKシステムが昨年来高値、株式分割と期末配当予想の増額を発表
日経平均は反落、米大統領補佐官の解任報道など影響=16日のマーケット動向