昨日の海外時間には、複数のECB関係者の発言を受けてユーロ買いが強まった一方、Brexit後の移行期間中の条件について合意、と報じられたことからポンドも買われました。ドル円相場は先週後半からのレンジ内の取引が続いています。
今後の見通し
ドル円相場は105円台後半から106円台前半のもみ合いが続いています。明日夜に行われる米FOMCで0.25%の追加利上げが行われる見通しとなっていることから円売りが出やすい状況ではあるものの、一方で森友学園文書書換問題で安倍政権の支持率が急落していることで、リスク回避の円買いが出やすい状況であることバランスしてレンジ取引が続いているものと考えられます。FOMCでの0.25%の利上げはほぼ市場で織り込まれていることから、利上げが決定されてもドル買いが続かない可能性が高い一方で、麻生財務相の辞任などは完全には織り込まれていないことから、森友学園問題で政権にダメージがあるような報道があれば、円が買われやすい状況は続くと考えます。
一旦利食って再びドル売りを目指す
先週14日に作った106.50円のドル売り、円買いのポジションですが、金曜日の海外時間の105.60円付近の安値から、昨日の東京時間に105.60円台、NY時間には105.70円台と安値を次第に切り上げてきたことから。105.90円で一度利益を確定しました。しかし引き続き円高のリスクがあると考えて、106.40円付近で戻り売りをしたいと考えています。成立した場合の損切りラインは106.80円に置きます。
昨日の海外市場動向
欧州時間、東京時間に買われた円は売り戻された一方、ロイターが複数のECB関係者が「来年半ばの利上げ、今年末のQE終了を見込む市場予測に違和感はないと述べた」と報じたことから、ドル円は106.30円付近まで、ユーロ円は130.90円台まで、ユーロドルも1.2320台まで上昇しました。また「欧州と英国がBrexit後の移行期間中の条件について合意」と報じられたことからポンドも買われました。
NY時間にはいると、特段の新規材料はありませんでしたが、米長期金利、原油相場、NYダウなどが下落したことからリスク回避の動きで円買いが優勢となって、ドル円は105.70円台まで、ユーロ円は130.40円台まで下落しました。
NY時間午後には、原油相場が反発したことから米長期金利、各国株式なども反発し、リスク回避の後退でドル円は106.10円台まで、ユーロ円は131.00円台まで、ユーロドルも1.2350台まで上昇しました。
東京時間にはいってから「財務相幹部、最近の円高はファンダメンタルズを反映していない」と報じられたことから円売りが強まっています。
今日の予定
今日の海外時間には独・2月生産者物価指数、英・2月生産者/消費者/小売物価指数、独・3月ZEW景況感調査、ユーロ圏・3月ZEW景況指数の発表が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp