2018年3月22日11時過ぎに神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日21日(水)の深夜、本日22日(木)午前3時のFOMCについて。FOMCの後にドル売りが優勢となった形だったが、FOMC自体はそれなりに前向きな見通しを示したと受け止めている。

今年から来年にかけて経済見通し(成長率や失業率など)を昨年12月時点から上方修正した。またインフレ率の見通しに関しても来年分を引き上げた。米経済の先行きに対して、FOMCが自信を深めている様子がはっきりと受け取れる。今年の予想利上げ回数が3回で据え置かれた。しかし一方で来年の予想利上げ回数は、2回から3回へ引き上げられている。

FOMCの声明や見通しが発表された直後は、一旦ドルは上昇したものの、その後のパウエルFRB議長の会見で失速。パウエルFRB議長は声明や見通しに対して、やや慎重なトーンだったためだ。今後の利上げに関して中立という姿勢を強調したほか、会見の中では貿易摩擦への懸念なども示した。市場としては、良好な米景気よりも対中関係の悪化に対する懸念のほうが大きかったようだ。米株や米長期金利はFOMC直後の上げ幅を失った格好だ。

そんな流れの中、米ドル/円も再び105円台に落ち込んできているが、ここから改めて105円台のサポートが試される展開となるだろう。貿易戦争への懸念を抱える中、今晩、22日(木)夜、トランプ米大統領が対中関税の詳細を発表するようだが、それに対して中国も対抗措置を練っている最中だという報道もある。こういう点が意識されるとなると、短期的には米ドル/円が105円割れとなる可能性もあり、下値警戒が必要だ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

短期的には下値警戒感を抱いている反面、中長期的にはやはり、ドル高に転じていくだろうとみている。今回のFOMCの見立てにあったように、今年後半から来年にかけて、利上げのペースが上がっていき、米ドル/円の金利差は拡大していく。そんな中で高金利のドルを長期間売り持ちしていれば、キャリーのコストだけでもかさんでしまうため、そういう動きは長く続かないだろう。よって、105円を割り込む局面があれば、そこはドル買いのチャンスになるのではないかと思っている。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。