中国経済,ビッグデータ,ロボティクス,大学
(画像=PIXTA)

目次

  1. ビッグデータ・ロボットが人気の理由とは
  2. 「ビッグデータ学科」には手厚い国家サポートが
  3. ロボット学科の卒業生は引く手あまた
  4. 社会主義の特性をい生かす

ビッグデータ・ロボットが人気の理由とは

中国教育部(文科省に相当)が2017年の大学本科(四年制)学科新増設申請の審査結果を発表した。全国の新増設は、増設案件が2105件、新設案件が206件、新増設合わせて2311学科であった。最も目立ったのは、「ビッグデータ(大数据)及びビッグデータ技術」250学科と「ロボット工程」の60学科だった。

ネットニュース「今日頭条」の記事から急増の理由の探ってみよう。

「ビッグデータ学科」には手厚い国家サポートが

教育部は、全国250の「ビッグデータ及びビッグデータ技術学科」の新増設を認可した。その中には、中国人民大学、北京師範大学、厦門大学など19の教育部直属大学を含んでいる。

ビッグデータ学科は2015年、北京大学、対外経済貿易大学、中南大学で開設された。それが2016年には32へ拡大、2017年にはその8倍、250へと急増したのである。

ビッグデータ学科は、十分な国家サポートを得られ、受験生の人気は高い。2015年8月、国務院は「ビッグデータ発展促進行動の綱要に関する通知」を出し、エンジニアなどビッグデータ専門家育成のため、関連学科の設立を推奨した。ビッグデータ産業における人材不足を見越した動きだ。

それが2017年になると、新設された学科は、各地域におけるビッグデータ産業の配置と発展、人材不足解消、人材育成のために、力を発揮するようになる。

例えば河北省では、13の大学にビッグデータ関連学科を開設した。その一つ「河北経貿大学数据科学与数据技術専攻」は今年から学生募集を開始する。

河北省は省内に5カ所の「ビッグデータ専項実験区」を持っている。さらに建設中の「京津冀国家級大数据総合試験区」では、1000億元クラスのビッグデータ企業を集積させる予定だ。人はいくらでも必要だ。

また重慶市でも、地元の名門、重慶郵電大学がビッグデータ学科を開設した。次は重慶市政府のサポートの下、産学合同の人工智能学院の設立を目指している。国際的影響力を持つ、ビッグデータ産業基地を建設する目標を達成するためだ。このように地方同士で激しく競い合っているのである。

ロボット学科の卒業生は引く手あまた