AI,中国経済
(画像=LIPING / Shutterstock.com )

目次

  1. 27カ所で「ビッグデータ産業基地」展開
  2. 8カ所の試験区
    1. 南京市浦口区「大数据産業園」
    2. 「中国東南(福建)大数据産業園」
    3. 「アリババ在河北張北県的大数据中心」
  3. 莫大な投資の行く末は

27カ所で「ビッグデータ産業基地」展開

中国の有力調査機関、中商産業研究院は2017年12月、「2017中国大数据産業園定位案例研究報告」を発表した。「大数据」とはビッグデータのことである。それによると、中国のビッグデータ研究は、非常に大掛かりに行われていることが分かる。

特集記事を掲載したニュースサイト「新浪看点」から、中国ビッグデータ研究の現状を探ってみよう。

8カ所の試験区

最初のビッグデータ産業園は、2015年9月に建設が始まった、貴州啓動全国首個大数据総合試験区である。続いて10月には、京津冀(北京、天津、華北省)珠江デルタ、の2つの広域試験区、上海・河南・重慶・瀋陽の4つの区域試験区、1つのデータ基礎設備等発展総合試験区の建設が発表された。これにより全国8つの試験区を、東部、中部、西部、東北の4つのプレ―トにバランスよく配置し、ビッグデータ産業の発展を図ることとしたのである。

以下そうした試験区をいくつか取り上げてみる。

上海試験区

南京市浦口区「大数据産業園」

同産業園は上海区域の3つの試験区の1つである。敷地面積10万平方メートル、研究棟の面積20万平方メートル、すでに50社以上のビッグデータ企業を誘致、従業員は5000人、売上は20億元(346億円)規模となった。なお総投資額も同じ20億元である。

各社のデータセンターを集約することで、ビッグデータ産業を集約した新型基礎施設とする。そしてこれらを未来産業発展への求心力としていく。情報AI化、オンラインビジネス、環境保護ビジネス、健康ビジネスなどを開発する一体化施設をうたっている。

入居している企業は3つに分類される。

(1) 自らビッグデータを扱う企業。アリババ、テンセント、バイドゥ、京東(JD)、蘇寧など。
(2) 自らは扱わないが、データを利用する企業。 社交メディアの運営会社など。
(3) ビッグデータ産業自体のイノベーションを担うベンチャー企業。

珠江デルタと京津冀の広域試験区

「中国東南(福建)大数据産業園」

同産業園は、珠江デルタ広域試験区に属す。敷地面積10万1900平方メートル、研究棟の面積9万6000平方メートル、122社を誘致、総投資額100億元(1732億円)

国家健康医療ビッグデータセンターである。医療に特化した国際的「新生態」のデータセンターを目指す。

「アリババ在河北張北県的大数据中心」

同センターは、京津冀広域試験区に属する。敷地面積42万平方メートル、2つの園区に分かれ研究棟の面積は13万平方メートルである。総投資額200億元(3464億円)にのぼる。

30万台の機器を持ち、200万社の中小企業に、クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、AIサービスを提供している。

莫大な投資の行く末は