毎年2月16日~3月15日までに行わなくてはならない確定申告は、大家さんデビューのワンステップです。納税は国民の義務ではありますが、法律で定められた範囲内で賢く節税するのは、事業経営をする上で欠かせないスキルと言えるでしょう。今回は、確定申告の前に知っておきたい不動産投資の「経費」について紹介します。

「所得」と「収入」の違いを知ろう

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(画像=Andrey_Popov/Shutterstock.com)

確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得額に対して行う納税の手続きです。

まず、「所得」と「収入」の違いについてはご存じでしょうか。例えば、不動産投資であれば年間の家賃収入総額が「収入」になります。しかし、不動産を経営する上で、例えば不動産ローンの利息支払いや管理会社の手数料、固定資産税、修繕やリフォームで発生した費用など、さまざまな費用がかかります。この費用を「経費」といい、「収入」から「経費」を差し引いたものが「所得」になります。

確定申告は、1年間の所得に対して行われるものです。そのため、「所得」をできるだけ小さくすれば、それだけ課税額も小さくなるということです。そして、そのカギを握るのが「経費」なのです。

不動産経営で経費として認められるもの

上記で例を挙げたように、不動産投資にはさまざまな経費がかかります。この経費をいかにうまく計上するかで、所得のコントロールができるのです。ただし、すべての費用が経費として認められるかというと、そういうわけではありません。経費の定義は、以下の通りです。

1.総収入金額に対応する売上原価、その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
2.その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

ここでは、不動産にかかわる代表的な経費を紹介します。

1.租税公課
固定資産税・都市計画税、不動産取得税などがこれにあたります。

2.火災保険などの損害保険料
一括払いの場合には、当年度分しか必要経費として計上できない点に注意です。つまり、10年分を一括払いにすると、初年度分のみが経費計上できることになります。

3.減価償却費
減価償却費は、建物の構造や用途によって定められています。減価償却費は以下の通り計算します。 減価償却費=物件の取得価格×法定耐用年数に応じた償却率
償却率はこちらから確認できます。

4.修繕費
建物のカベの塗り替えやドア、トイレや風呂などの水回りの設備交換、畳やふすまの取り替え費用などを修繕費として計上できます。ただし、大幅なリフォームのように、物件の資産価値を高めたり、耐久年数を上げたりするための支出については、「資本的支出」と見なされて経費には計上できません。

5.不動産ローンの利息
借入金の返済額のうち、元本にあたる部分については経費計上できません。

6.不動産の管理費
賃貸管理会社への支払い費用などです。

7.不動産管理でかかった交通費
不動産物件を見に行くための交通費やセミナーに参加するための交通費などです。交通費の領収書はとっておきましょう。公共交通機関だけでなく、クルマのガソリンや駐車場代なども計上できます。ただし、自家用と区別するために、かかった経費を按分する必要があります。

8.不動産管理でかかったインターネット代や電話代などの通信費
こちらも、全額の計上はできないので、按分する必要があるでしょう。

9.新聞図書費
不動産経営を学ぶための雑誌、書籍、新聞などの費用です。

10.不動産管理で必要な接待交際費
税理士や不動産管理会社との打ち合わせ、不動産投資仲間との会食費なども経費に認められます。

11.消耗品費
物件を撮影するためのカメラや、不動産経営に使用するパソコンなどがあたります。

12.その他税理士などへの報酬

領収書の保管を忘れずに

ここまで、不動産経営で確定申告する場合に知っておきたい経費についてお伝えしました。経費を計上するには領収書が不可欠になるので、必ず全てのレシート類は保存しておきましょう。(提供:不動産投資セミナー

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