自転車事故では自分がケガをするだけでなく、相手にケガをさせることもあります。ケガの程度が重かったり不幸にも死亡したりした場合には、高額の損害賠償が請求されることがあります。

賠償金は数千万円から1億円に及ぶこともあり、簡単に払える金額ではありません。自転車事故で相手にケガをさせてしまったときの賠償金は個人賠償責任保険や自転車保険などの損害保険でカバーする必要があります。

ここでは、自転車事故のリスクに対応した個人賠償責任保険や自転車保険の特徴をご紹介します。また、個人賠償責任保険が重複してしまわないためのチェックポイントについてもお伝えします。

自転車事故のリスクには個人賠償責任保険や自転車保険で備える

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(写真=Rocksweeper/Shutterstock.com)

自転車事故のリスクに備える保険には「個人賠償責任保険」や「自転車保険」があります。

個人賠償責任保険は自転車事故だけでなく、日常生活で他人の物を壊してしまったときの弁償など、自転車事故以外で相手方に損害を与えてしまったケースでも補償されます。ただし、自分自身がケガをしたときの治療費に対する補償は基本的にありません。自分のケガに対する補償は傷害保険など別の保険でカバーする必要があります。

自転車保険は、自転車事故で相手にケガをさせたときの賠償責任のほか、自分がケガをしたときの補償がある点が特色であり、個人賠償責任保険と傷害保険をセットにしたものと位置づけられます。また、事故で破損した自転車を自宅など指定の場所まで搬送するロードサービスが受けられる保険もあります。

自転車に乗るときは個人賠償責任保険や自転車保険への加入が必須になりつつあり、自治体によってはこれらの保険への加入が義務づけられています。

知らない間に個人賠償責任保険に入っていることも

個人賠償責任保険は単独で加入するだけでなく、自動車保険や火災保険に特約を付帯して加入している場合もあります。特約を付帯していることは知らなかったり忘れたりしていることも多く、新たに個人賠償責任保険や自転車保険に加入すると保険が重複することもあります。

保険に加入する前に、まず、自動車保険や火災保険で「個人賠償責任特約」を付帯していないかを確認しましょう。また、全労済、市民共済や会社の団体保険などでも同様の特約が付帯できる場合があります。

また、自転車に「TSマーク」が貼られていれば、その自転車を対象にした付帯保険に加入しています。ただし、付帯保険の有効期間は点検した日から1年間で、TSマークの種類によっては補償が十分でないこともあり注意が必要です。赤いTSマークでは加入時期によって1億円または5,000万円の賠償責任補償がありますが、青いTSマークでは1,000万円にとどまります。

個人賠償責任特約もTSマークの付帯保険のいずれもない場合は、たとえ自転車に乗る回数が少ないとしても個人賠償責任保険や自転車保険への加入を検討しましょう。また、保険に入っていても補償金額が少ない場合は、十分な補償が受けられるよう見直すことをおすすめします。

なお、個人賠償責任保険は、仕事で自転車に乗っていて事故を起こした場合には補償がありません。仕事中の事故については、事業者が施設賠償責任保険に加入する必要があります。

安全運転に個人賠償責任保険をプラスしましょう

自転車に乗るときは、何よりも事故を起こさないように安全運転を心がけることが大切です。自転車も法律上は自動車と同じ車両にあたるので、交通ルールは必ず守らなければなりません。スピードを出しすぎないことはもちろん、スマートフォンなどを見ながら自転車に乗ることは絶対にやめましょう。

それでも自転車事故はいつ起きるかわかりません。通勤・通学や買い物などで日常的に自転車を使うのであれば、安全運転を心がけたうえで、ぜひとも個人賠償責任保険や自転車保険にも加入しておきたいものです。(提供:保険見直しonline


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