経営者問題の一つとして事業承継があります。しかし、難しい課題とは言え先達の知恵は有効に活用できます。特に後継者問題に頭を悩ませる後継者も多いのではないでしょうか。そこで、よくある後継者問題を4つお伝えします。事前のこれらを知ることで、事業承継のスムーズな対策を講じましょう。

事業承継とは?

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(画像=PIXTA)

経営者問題で関心が最も高いものは事業承継です。そもそも、事業承継とは通常、自分以外の誰かを後継者にして自分が行っている事業を引き継ぐことを言います。事業承継とは今後の経営者を誰に任せるのか、またその後継者に地位をはじめ、株式・不動産・事業の有形,無形資産などのあらゆる資産をどう引き継いでいくのかを決めることです。非常に複雑な問題であるため、どうしたらよいのかと悩む経営者もいることでしょう。

事業承継は自分の世代を超えて、創業者の夢、そこで働く従業員の幸せ、世間・お客様への貢献をどのように継続していくかを考える機会でもあります。既存の事業をどう伸ばし、今後事業をどう発展させていくのかを考えることができます。事業承継問題とは言いますが経営者の責務とも言えるのではないでしょうか。

しかし、事業承継は事業規模にかかわらず非常に難しい経営課題です。特に、経営者が高齢に達している中小企業にとっては早めに後継者を決め、次世代へ引き継ぐための準備が必要なのです。

誰を後任者として定めるか?

まずは、誰を後継者として認定するのかが大切です。社長の経営手腕は会社を継続していく上で重要な要素の一つだと言われています。そのため、次世代の後継者の能力いかんでは会社の存続が危ぶまれます。そのため、能力と技能、さらには会社へのロイヤリティーを含めて後継者にふさわしい人材を確保することが重要になります。

そのため、後継者を決めるためには十分な時間をとることが肝心です。たとえば、今まで会社の事業に関与してこなかった息子や娘に承継する場合、経営者の意志や事業を引き継ぐまでに時間がかかります。事業承継は意思疎通が大変重要となりますから、経営者と後継者が徹底的に話し合うことが大切です。

他の役員や社員のモチベーションに大きな影響を与えることも

後継者にふさわしいとする人材を確保した時に起こりがちなのは、他の役員や社員の士気の低下です。たとえば、能力も人望もない社長の子どもが後継者として選ばれた際には、長年経営者の右腕として手腕を振るっていた部下たちにとってはモチベーションの低下に繋がるかもしれません。

たとえば子どもを後継者として考えたいと思うなら、自分の我が子だということを忘れて、一従業員として見てみることが大事でしょう。後継者として人望があるのか、本当に会社を任せて大丈夫なのかを他の従業員と比較して決める必要があります。

経営者選びに私情を挟むことなかれ

経営者の中には、息子や娘に会社を継がせたいと考える人もいるかもしれません。能力や資質が伴う場合、親である経営者の意志を受け継ぎやすいといえます。一方で、能力がないにもかかわらず跡取りとしたいと考えるのであれば、社員のことを考えていないのではないかと思われる可能性もあります。経営者選びには親としての思いも大切ですが、会社の存続を第一に考え、人選を検討する必要があります。

納税準備や書面作成にも大きなパワーが

最後に、事業承継のための納税準備と書面の作成です。これは専門家に相談をしながら進めていく経営者が多いことでしょう。複雑な内容になればなるほど、スムーズに事業承継を進められない場合もあるので、あらかじめよく相談しながら進める必要があります。

たとえば後継者が事業承継にあたり、納税の工面をしなくても済むように対策を講じておくのがよいでしょう。納税猶予の特例があることを後継者に伝えるだけではなく、資金面でも苦労しないように準備をしておくのも一案でしょう。

4つの後継者問題を抑えて、スムーズに事業承継を

ここまで、4つの後継者問題について説明をしてきました。実際に事業承継を行う経営者が直面しがちな問題ですが、事前によく対策を講じておけばスムーズに事業承継を行うこともできるでしょう。実際に後継者を決め、社内の人間関係をよく調整し、納税準備や書面作成・手続きを進め、しっかり引継ができるかどうかは経営者の手腕によるところが大きいかもしれません。自社の未来を見据えて、専門家に相談をしながら、事業承継を進めていくことが大切です。(提供:企業オーナーonline


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