このコーナーでは毎週原則木曜日に実施しているMarket Talk(動画セミナー)のサマリをお届けします。
2018年4月26日(木)Market TalkのSummary
国内外の企業の決算はどうなると思われますか?
一言でいえば良い決算になるだろう。今出ているアメリカの決算は非常に良い。昨日は「キャタピラーショック」があったが、キャタピラーの決算そのものは大変良い。通年の見通しも上方修正している。日本も終わった期はもちろん大変良く2年連続の最高益で、経常利益で2割増、当期純利益で3割増というコンセンサスを上回って着地するだろう。今期の見通しも慎重な見通しを出す企業もあれば、強気の見通しを出すところもあるだろうが、総じて為替が円安に戻っていることもあるし、不安感はない状況だと思う。
円安の進行、北朝鮮リスクの軽減、外国人の買い越しが続くなど日本株に有利な状況ですが、いまいち上値が重い気がします。今懸念すべきことは何かありますか。
特に懸念することはないのでは。決算が進むにしたがってじりじりとバリュエーションの修正をしていくだろう。確かに上値が重い気はするが、走りすぎないほうが良いのでは。
米国債利回り3%超えで米国株の上値は重くなるのでは?
今まで物価が上がらない、金利が上がらないという状況に慣れきっていたので、アメリカはこれからは(金利上昇に)慣れていけばいいということだ。レポートでも述べているが3月の株価急変も金利上昇が引き金になったわけではない。またバリュエーションも当時より改善している。企業業績が上がってきて、株価が下がって、よってPERも下がっている。なのでこの3%も吸収できているということだろう。
戻り高値を試しているドル円ですが、今回はどの程度まで円安が進むとお考えですか?
節目の110円が近づいてきたが、一回は110円のところで押し返されるのではないか。あまり大きな動きはなく、レンジの動きだろう。108円を中心に105円から110円のレンジ相場になっていくと思う。
ドイツが失速しはじめました。伊・仏も心配です。米中も共倒れになりそうです。世界経済の失速・調整がはじまったのではないでしょうか。
ドイツは今まで強すぎた分の反動が来ている。しかし、今後おそらく世界最強の経済大国になるのは中国だが、ドイツは規模を追わず質で世界最強の経済を保っていくと思う。2国に共通するのは技術と人。ドイツは2003年から打ち出したシュレーダー改革が結実した経済になっている。現在ドイツのハノーバーで行われている世界最大の産業見本市でドイツの次に出展数が多いのは中国。また北京でも自動車ショーが始まっている。このように技術の粋、世界の覇権を争っているのがドイツと中国だ。 短期的な景況感の波はあるが、潜在的な成長率やそれを支える国の在り方が日本とは全然違う。
広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
【関連リンク マネックス証券より】
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