中国のビッグデータ分析の易観は5月上旬、2018年3月度のモバイルアプリ、アクティブユーザー数と前月比を発表した。その内容を経済サイト「中商情報網」が伝えている。現代中国を語る上で、欠かせないものばかりであり、見どころは満載だ。

トップ10はBAT一色

中国,IT業界,スマホ,日中関係,日本進出
(画像=各社Webサイトなどより)

まずトップ10を見ていこう。

順位 企業名 アクティブユーザー数/前月比/業種・系列
10位 手機百度 3億2118万1000人/▲6.02%/検索エンジンのスマホ版(百度系)
9位 WiFi万能銀匙  3億6879万9000人/▲7.08% Wi-fi管理
8位 微博 4億26万5000人/△3.12%/ソーシャル
7位 優酷 4億1153万9000人/△8.41%/総合視聴(アリババ系)
6位 淘宝 4億3870万人/▲6.01%/ネット通販(アリババ系)
5位 支付宝 4億5000万7000人/▲0.73%/モバイル決済他(アリババ系)
4位 騰訊視頻 4億7876万3000人/▲1.70%/総合視聴(騰訊系)
3位 愛奇芸 5億2688万4000人/△0.54%/総合視聴(百度系)
2位 QQ 5億3671万9000人/△3.25%/ソーシャル(騰訊系)
1位 微信 9億592万5000人△0.06%/ソーシャル(騰訊系)

IT巨頭のBAT(バイドゥ/百度、アリババ、テンセント/騰訊)が複数ランクインしている。これこそ彼らが巨頭と称される理由である。ここでは騰訊系の頭打ちが気になる。

カテゴリー別(ニュース、通販、地図サービス)順位

ニュース テンセント系が2社

46位 捜狐新聞 6573万900人/▲7.26%/(騰訊系)
45位 易網新聞 6638万8000人/▲11.23%
14位 騰訊新聞 2億6771万4000人/▲6.72%/(騰訊系)
11位 今日頭条 2億7843万3000人/▲6.02%

今日頭条はBATにつぐ存在、TMD(頭条、美団、滴滴出行)の一角にランクされている。日本では運営会社Bytedance(字節跳動)の名で知られるようになった。これについては後述する。

ネット通販 アリババ系強し

63位 天猫 5204万7300人/▲16.46%/(アリババ系)
54位 唯品会 5645万2100人/▲13.85%
37位 拼多多 1億112万6000人/▲8.60%/(騰訊系) 共同購入
23位 京東 1億6471万6000人/▲17.28%
6位 淘宝 4億3870万人/▲6.01%/(アリババ系)

ここでは共同購入の拼多多が急速に存在感を増している。

地図 国産2社

20位 高徳地図 2億1622万8000人/▲15.29%/(アリババ系)
19位 百度地図 2億1859万8000人/▲9.41%/(百度系)

国産2サービスの争いになっているのはグーグルを締め出したためだ。

映像視聴、動画共有アプリで今日頭条リード Tik Tokなど

次は映像視聴アプリである。中国のテレビ局に、面白い番組は少ない。人々はそれを外部に求めた。一昔前は海賊版DVD、または違法サイトによって、海外コンテンツを視聴していた。今ではトップ10入りの総合視聴アプリ「優酷」「騰訊視頻」「愛奇芸」が正規版の権利を取得し“合法的”に提供している。そして高額の版権使用料を支払える大手3社に集約された。

現在、注目を集めているのは、それら総合型ではなく、中国語で「短視頻総合平台」と呼ばれる、ミュージックビデオなどを制作して配信できる、動画共有型アプリの争いだ。

28位 抖音 1億2533万1000人/▲27.83%/(今日頭条系)
27位 西瓜視頻 1億3379万6000人/▲15.28%
24位 火山小視頻 1億6456万9000人/▲17.15%/(今日頭条系)

3月の段階では以上の3アプリがユーザーを大きく伸ばし、横一線で争っていた。しかし4月になり、西瓜視頻と火山小視頻がサービス停止となっている。当局から“低俗”との指摘を受けた影響のようである。

抖音はTik Tokという名で、日本でも若者を中心に人気が急上昇している。また同社は同種のアプリMusical.lyを買収して統合を進めている。

さらにTopBuzz BuzzVideoも同社のアプリである。知らずしらずのうちに、今日頭条系のアプリを使用する日本人が増加しているのだ。日本はコンテンツ作りには秀でていても、プラットフォーム作りはこのところさっぱりである。早急に何とかしなければならない。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)