2018年6月14日11時過ぎに神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

まずは、本日14日(木)早朝の米FOMCについてだが、今回は全会一致で米国の利上げを決めた。また、年内あと2回の追加利上げについても示唆。これを受けて、米ドル/円は110.84円付近まで上昇した。しかしその後、トランプ政権が中国製品への追加関税を、早ければ明日15日(金)にも発動するとの報道を受けて、110円台前半へ反落。結局、往って来いの展開となった。

ただ、この、トランプリスクが米ドル/円の上値を抑える動きに関しては、市場も免疫がついており、対中関税の話題で投資家心理が著しく悪化することはないと思われるため、米ドル/円の下値も限定的だろう。一方で市場の関心はここから、日本時間本日14日(木)夜のECBの動向に移ることが予想されるため、米ドル/円はあまり大きく動かなさそうだ。基本的には110円台前半の狭いレンジでの推移が予想される。

現在の為替相場の戦略やスタンス

注目のECBについてだが、実際に量的緩和の終了に関する議論において、ある程度結論めいたものが発表されるのかどうかが焦点。市場の見方としては9月で現在の資産購入プログラムが一旦終了するが、この規模を縮小して年末まで継続し、12月に終了、というのが暗黙のメインシナリオとなっている。

ここからのシナリオがはっきり示されれば、かなりのユーロ高要因となる一方で、イタリア・スペイン問題がくすぶっている中、ドラギ総裁がそこまで踏み込めるのかが疑問。市場の見方もかなり大きく割れている。ただ、どういう結果になったとしても、ユーロが上下に暴れることにはなりそうなので、注意が必要だ。また、このECB前にユーロが買い戻されていることもあり、その分乱高下のリスクも大きくなっている。警戒態勢で臨みたい。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。