30代の死亡保険選びのポイント
死亡保険について検討する場合、まずは、自分に万一のことがあった場合にどのくらいの保障が必要なのか、公的保障や勤務先からの保障がどのくらいあるのか、といった点について確認する必要がある。死亡した場合に得られる保障は会社勤めか自営業かによっても変わるため、遺族年金や遺族厚生年金、勤務先の死亡弔慰金制度などについて確認してみるといいだろう。
●30代独身世帯に死亡保険は必要なのか
自身の収入によって生計を維持する者がいない独身世帯の場合、大きな額の保障は基本的に必要でない。ただ、「葬儀費用くらいは残しておきたい」「自動車ローンなど、借り入れが残っているため家族に迷惑をかけたくない」という人は、それが賄える程度の額の死亡保険に加入しておくのもいいだろう。
●30代夫婦に必要な死亡保険とは
配偶者がいる人が死亡保険への加入を検討する場合、遺された配偶者の生活保障について考慮する必要がある。特に、配偶者が専業主婦であったり生計の大半が自分の収入で維持されていたりする場合は、「毎月〇万円×何年」という形で必要な保障額を算出し、公的保障や勤め先からの保障で賄えない分を保険でカバーする、というのが一般的な流れであろう。
●子供がいる世帯に必要な死亡保険とは
子供がいる世帯では、遺族の生活保障に加えて子供の教育資金についても考慮しておく必要がある。これは子供の就学期間に限定して必要な保障であるから、「子供が20歳になるまで」「子供が大学を卒業するまで」といった形で期間を区切り、大きな額の保障を用意しておくといいだろう。
近年は、割安な保険料で加入できる収入保障保険の人気が高まっている。子供に必要な保障額はその成長に伴い減っていくため、遺族の生活保障に充てる終身保険をベースとしつつ、定期型の収入保障保険でプラスαの保障を確保する、というのも1つの選択肢ではないだろうか。
30代の就労不能保険選びのポイント
ここ数年、話題になっている就労不能保険。就労不能時の保障を主契約とした商品や死亡保険に就労不能保障特約を付保する商品など販売形態は様々であるが、30代でこの種の保険に加入する必要はあるのだろうか。
●就労不能保険は独身・既婚を問わず検討すべき
就労不能保険は、働けなくなった場合に約定の保険金を受け取ることができる保険である。近年は入院日数が短期化傾向にあり、悪性新生物の治療をする場合でも、その入院日数の平均は18.7日となっている(厚生労働省『平成26年患者調査の概況』より)。
ただしこれはあくまでも入院日数であり、退院後すぐに仕事復帰できないケースも少なくない。しかし、退院後は医療保険による保障を受けられないし、当然、死亡保険による保障を受けることもできない。
そこで役立つのが、就労不能保険である。この種の保険に加入していれば、自宅療養をしている期間も保険による保障を受けられるのだ。会社勤めをしている方ならば傷病手当金制度を利用できる場合があるが、自営業者・会社経営者はこの制度を利用できない。独身・既婚を問わず、以下に該当する方は就労不能保険への加入を検討してみてはいかがだろうか。
・自営業者
・会社経営者
・傷病手当金だけでは就労不能時の生活費を賄えない可能性がある方
30代で貯蓄型保険に加入する必要はあるのか
貯蓄型保険は、老後への備えとして加入する人が多い商品である。退職して年金生活になると収入が減少するため、これをカバーする手段として貯蓄型保険に加入するのであろう。老後への備えはライフプランを立てるうえで避けられない要素であるが、果たして、30代からこの種の保険に加入する必要はあるのだろうか。
●他の資産運用方法を検討してみるのもおすすめ
かつては解約返戻金が100%を大きく上回るのが一般的であった貯蓄型の保険商品だが、近年は低金利の影響もあり、保険料払込満了時の解約返戻率が100%前後で設定されている商品が多くなっている。もちろん、「保障」を担保しつつ貯蓄ができるという意味において魅力がないわけではないが、保障を手厚くすると毎月の掛け金が高くなってしまう。
単純に「お金を貯める」ことだけを考えるのであれば、投資信託をはじめとする他の資産運用方法を検討してみてもいいのではないだろか。貯蓄型保険への加入を検討する際は、利率をしっかり分析することをおすすめする。
30代に必要な保険は意外に多い!まずは現状把握を
医療保険や死亡保険、就労不能保険など、30代に必要とされる保険は意外に多い。ただし、どの保険に加入し保険金額をどのくらいに設定するのかは、家族構成や勤務形態などによって大きく異なる。そのためまずは自分に万一のことがあった場合にどのくらいの保障が必要なのか、入院した場合、死亡した場合、働けなくなった場合……というように、ケース別にシミュレーションしてみることが大切である。
曽我部三代
保険業界に強いファイナンシャルプランナー。富裕層の顧客を多く抱え、税金対策・相続対策を視野に入れたプランニングを行う。2013年より、金融関連記事のライターとしても活動中。
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