2018年7月5日11時過ぎに神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

今週に入ってからの米ドル/円は、3日(火)には、2日(月)の前日高値を超えて、一時110.60円台まで上昇した。かと思えば昨日4日(木)には110.30円を割り込むなど、いかにも方向感に乏しい展開だ。ここからは多数の材料を控えているため、本日5日(木)の日中は様子見ムードが広がりそうだ。

しかし、海外市場にいくと、祝日明けのNY市場を中心に非常に材料が豊富。中でも、ADP全国雇用者数や新規失業保険申請件数など、米国の雇用関連指標は、明日6日(金)の6月分米雇用統計への期待値に影響するとみられており、注目度も高い。明日6日(金)のイベントに関しては、米雇用統計よりも米国の対中関税の第1弾、340億ドル相当をトランプ政権が発動するという可能性が高まっており、こちらに注目する向きがあるようだが、個人的には雇用統計の方がはるかに重要だと思っている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米中貿易戦争に関しては、米国の実体経済への影響が鍵だと考えており、貿易戦争が米景気を圧迫する兆候が出ない限り、ドル安にはなりづらいと考えている。貿易戦争、つまり関税を強化することによって、米国の貿易赤字が減るとすれば、これはドル高要因になるからだ。その意味でも米雇用統計の方が重要であることに疑いはない。

貿易戦争の影響で米国の景気圧迫の兆候が出ないかどうかという点では、本日5日(木)夜のISM非製造業景況指数も重要であり、同じくFOMC議事録も材料となりそうだ。そんな中、米ドル/円はこれらの材料を吟味しながら方向感を模索することになりそうだが、ポイントとしては、重要なサポートである200日移動平均線の示す110.16円付近。ここを維持できるかどうかに最も注目したい。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。