7月2~6日の東京株式市場は軟調に推移した。引き続き米中貿易戦争への警戒からリスク回避ムードが先行する展開となった。6日の日経平均株価は前週末比516円37銭安の2万1788円14銭で取引を終了、週ベースでは3週連続の下落となった。

東証マザーズ指数、一時1000ポイント割れ

そーせいグループ,株価
(画像=PIXTA)

それでは、今回は東証マザーズ市場の「週間出来高」ランキングを見て行こう。

(1)そーせいグループ <4565> 1387円 1139万0500株
(2)アンジェス <4563> 418円 1039万1800株
(3)エーアイ <4388> 3810円 798万2100株
(4)ホットリンク <3680> 986円 776万6800株
(5)フィンテックグローバル <8789> 79円 749万4400株
(6)ZUU <4387> 7800円 746万8900株
(7)メルカリ <4385> 4225円 705万4200株
(8)オンコセラピー・サイエンス <4564> 146円 701万9900株
(9)ソレイジア・ファーマ <4597> 309円 669万6200株
(10)メディネット <2370> 79円 490万7300株

※銘柄、証券コード、6日終値、出来高の順。

この週の東証マザーズ指数は年初来の安値を更新。5日には1000ポイントの大台を一時的に割り込む場面も見られた。そうした中で商いが盛り上がった銘柄が上記ランキングである。業種別でみると医薬品と情報・通信業が各4銘柄、その他金融業とサービス業が各1銘柄となっている。

そーせいグループ、経営体制の不透明で整理売り

今回は上記ランキングからそーせいグループ、エーアイ、ホットリンクの3社を取りあげたい。

そーせいグループは創薬ベンチャー。東証マザーズ市場の人気銘柄の一つでランキングでも上位に度々登場している。同社は慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬や緊急避妊薬を製品化したほか、英ヘプタレス・セラピューティクスを子会社化するなど、新薬開発に意欲的な取り組みを見せている。

6月4日、そーせいグループはアンドリュー・オークリー執行役副社長CFO(最高財務責任者)が一身上の都合で辞任したと発表。加えて定時株主総会で予定していたマイケル・ヘイデン取締役候補者の議案を取り下げている。株式市場では同社の経営体制の先行き不透明感から個人投資家の整理売りが先行、その後も上値の重い展開を余儀なくされていた。人気銘柄ということもあり、経営陣の辞任等には投資家も敏感に反応しやすいようだ。

そーせいグループ株の週間出来高は1139万0500株となり、今回のランキングでTOPとなった。

ホットリンク、AI関連の一角として上昇するが

ホットリンクはクラウドサービスを展開するIT企業。ソーシャル・ビッグデータの分析ツール「クチコミ@係長」や、同ビッグデータの販売、消費行動を分析するクロスバウンドサービスなどを手掛けている。

6月29日、ホットリンク株は1057円の高値を付けた。株式市場の人気テーマの一つである「AI(人工知能)関連」の一角として買われたようだ。しかし、その後は東証マザーズ指数など全体相場の伸び悩みも影響して調整ムードとなっている。

この週のホットリンク株の出来高は776万6800株に達し、今回のランキングで4位となった。

エーアイ、直近IPO銘柄として人気化する

エーアイは音声合成技術の応用開発を進めるIT企業。パソコンで入力したテキストを、個人の声をもとに合成した音声に変換するシステムを販売している。スマートフォンの音声アプリや、ソフトバンクのロボット「ペッパー」などに使われている。

エーアイ株は6月27日に上場し、翌28日に3500円の初値を付けている。米中貿易戦争等でリスク回避ムードが広がる中でもエーアイ株は人気化、週間出来高は798万2100株に達し、今回のランキングで3位となった。(ZUU online 編集部)